データまとめ
- グローバルウェルネス研究所によると、「職場のウェルネス」の市場価値は480億米ドルで、前年比で8%増加している
- 法人顧客に向けて魅力のある包括的なエクササイズソリューションを提供すると、収益増加や会員獲得につなげることができる
- 最近発表されたデロイト・コーポレート・ウェルネスレポートによると、事業者の78%が3年以内に運動に関連サービスに投資することを検討している
- リーズメトロポリタン大学による研究によると、勤務時間中にエクササイズを行うと、スタッフの生産性やタイムマネジメント、仕事への満足度などが15%上昇する可能性があると提唱
より健康的になり、積極性が高まり、生産性が上がり、団結力が高まる。これらは従業員が一緒に運動することで得られる効果のほんの一部です。
エクササイズ(特に勤務時間中の)が生産性やタイムマネジメント、そして満足度を高める効果があるという研究結果に示されるように、「スウェットワーキング」(運動しながら交流を深めること)やチームの団結の概念は長年確率されてきているのです。
しかし身体やメンタルヘルスの意識がより一般化するにつれ、職場ウェルネスが世界中で加速的に広まっています。
最近発表されたデロイト・コーポレート・ウェルネスレポートによると、事業者の78%が3年以内に運動関連サービスに投資することを検討中であり、また提供しているサービスにおいても運動関連が主流となっているようです。
その一方で、グローバルウェルネス研究所(GWI)は昨年、職場ウェルネス市場は現在480億米ドルの価値があり、前年比+4.8%と、かつてないペースで成長しているということを発表しました。
身体および精神状態を管理するツール、関連講習の実施やウェアラブルなど様々なサービスに事業者がどれだけ投資しているのかを計測/分析しているGWIは、世界中のウェルネス市場の中で職場のウェルネスがもっとも急成長している分野のひとつであり、現在その市場価値は4.2兆米ドルであるという驚くべき数字を発表しました。
未開発の可能性
ウェルネスは日常生活のあらゆる側面(特に人々が生活し、移動し、働くところ)に関連することから、職場のウェルネスは、もっとも大きな成長が期待される分野のうちのひとつだとされています。
結果として、勢いのある新興企業から安定した企業に至るまで、先進的な企業は職場のウェルネス構想に大きく投資して優秀な人材の採用と維持を図り、従業員の精力的な活動を後押ししようとしています。
この分野の専門であるNuffield Health社は、イギリス全土に200以上ものオンサイトジム(そのほとんどでレズミルズのグループエクササイズクラスを実施)を展開しています。このおかげで、導入した企業の従業員のうち平均41%が会員となり、また無料の施設の場合は80%が利用しています。
デロイトのレポートによると、フィットネスクラスが事業者が提供しているサービスの中でもっとも人気が高いといいます。スポーツジム利用のための補助金に加え、このようなサービスは2018年にウェルネス戦略を進めたアメリカ企業のうち70%が提供していることがわかりました。
事業所内にジム施設があるのは贅沢なサービスのため、多くの企業は近隣スポーツクラブと提携しています。2020年には、このようにスポーツクラブと提携する企業が増えてくることでしょう。
ストックホルムにある最先端のジム、SATSストゥーレプランのオーナーはこれをいち早く認識し、2015年に世界で初めてサイクリングプログラムTHE TRIP™を提供したスポーツクラブのひとつです。
同クラブではIMMERSIVE FITNESS™の力を活用して、参加者を虜にさせるTHE TRIPでサイクルスタジオの法人予約を促し、1法人、ひとクラスにつき3000 SEK(約34000円)で提供しています。週2~3回、近隣企業からの予約を受けることで、新たな収入源を確保することができます。また、法人契約を通じて数多くの利用者をクラブに引き寄せ、正会員となってクラブ通いしてくれる人も出てきています。
企業が抱える問題を解決する
法人向けウェルネスのスペシャリストであるPUSH Mind and Body社もまた、栄養やエクササイズを題材にしたワークショップを実施する利点について説明します。
創業者ケイト・マーデン氏によると、2年に渡りロンドンのHAVAS Mediaとの業務提携した結果、スタッフの離職率は30%から4.5%へと低下し、チームメンバーの入れ替えに費やしたであろう150万ポンドの支出を削減することができたといいます。
「数字がすべてを物語っています。」職場のウェルネスを提供するInnerfit社の創業者、クリス・ピナー氏は言います。「同僚と一緒にワークアウトする従業員は、職場を団結させ、チーム内の指揮を高めることができます。」
一番の壁は、あなたのスポーツクラブと提携すれば、従業員にできたように収益にも同様の目覚ましい成果が現れるということを人事担当者に納得して説明することです。
「そのためには、企業が抱えている課題の中に、あなたのクラブが解決の一助を担うことができるということを明確にすることです。」InnocentやWeWork、そして法律事務所のMacFarlanes LLPなどの企業で法人向けウェルネス構想を実現してきたピナー氏は説明します。
「忙しすぎて時間が足りていないか?欠勤率が高くないか?一日中デスクワークしていることで筋骨格に影響が出ていないか?現在どのような福利厚生があるのか?そして、あなたのクラブの法人向けウェルネスパッケージがそうした課題をどう補えるか?」
「その企業がどんな問題を解決したいのか注力する必要がありますが、最終的にあなたのクラブが提供するのは魅力のある包括的なサービスでなくてはいけません。」ピナー氏はこう語ります。「今企業が抱える大きな課題の一つであり、たった5%の従業員を惹きつけることしかできないグループエクササイズクラスを提供しても、意味はないのです。」
ピナー氏によると、クラブは人事担当者の立場になって考える必要があると言います。「彼らの関心事にしっかりと耳を傾けましょう。クラブ会員のニーズを知ろうとするように、従業員が何を求めているのかを学び、法人向けのウェルネスパッケージをそれぞれの顧客に合わせて丁寧にカスタマイズしましょう。」
クラブの近くで働いている方向けに魅力的で、包括的で、柔軟性に富んだエクササイズソリューションを提供することで、職場のウェルネスに成功し、大きな、そして今後も大きくなり続けるトレンドから利益を得ることができるのです。
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法人向けウェルネスで成功するための3つの方法
魅力のあるプログラム
THE TRIPなどのグループエクササイズは実績のある人気プログラムであり、一回限りの法人ゲストを正会員に変える力があります。
包括的な解決案
全体の5%だけをターゲットするのではなく、すべての従業員にメリットがあるエクササイズソリューションを提供しましょう。
柔軟性に富んだ提案
従業員が忙しく時間がない場合は、彼らのスケジュールに合わせてクラスを組みましょう。ただし正会員を犠牲にしてまで法人向けセッションを優先させないように気を付けてください。
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