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フィットネストレンド

2024年、クラブが無視できないフィットネスに関する6つの重要なインサイト

急速に進化するフィットネス業界において、消費者の動向を把握して果断に行動することは、健全なクラブ運営に必要不可欠です。2024年も1/3が過ぎましたが、ここで成功へのヒントとなる6つの新しい調査結果をご紹介します。

ジョー・ブライス

1. 対面式フィットネスへの支出が増加

昨年マッキンゼー・アンド・カンパニーはウェルネスについての調査を行い、急成長する同カテゴリーにおいて、米国、英国、中国の消費者がどのようにお金を使っているかを分析しました。この調査によると、米国の回答者のうち58%が前年よりウェルネスを重視しており、特に女性の健康、体重管理、そして対面式フィットネスが成長の呼び水となる分野であることが明らかになりました。また、ミレニアル世代とZ世代は、高齢者よりも健康やフィットネスにお金をかけていることもわかりました。米国の消費者全体で見ると、購入決定に最も影響を与えたのは「実際に商品を見たこと」であり、次いで「家族や友人からの勧め」でした。

調査では、米国におけるジム利用者の50%が、今やフィットネスを「自分のアイデンティティの中心」であると考えていることがわかりました。一方、対面式フィットネスやパーソナルトレーニングは、今後消費者がより多くのお金をかけるであろう分野のトップ2であり、やる気と(結果に対する)責任感を駆り立てる対面式体験への需要を浮き彫りにしています。

こういった需要に対応できるクラブは、トレーナーからの指導を好む新規会員の獲得はもちろん、より幅広くジムを活用したい経験豊富な会員の満足度向上へつなげることができるでしょう。例えば、クラブのイベントで会員の友人や家族の利用を特典化できれば、施設に新鮮な顔ぶれを呼び込む絶好の機会となります。

2. 筋力トレーニングが人気

MindBodyが行った調査では、最も頻繁に運動をする人は、筋力トレーニングを好む人であることが判明しました。また同社の2024年予測レポートよると、回答者が筋力トレーニングを日課としており、そのうちの半数以上が週に24回トレーニングを行っています。

多くのクラブでマシンやフリーウェイトのエリアは混雑しており、施設の収容可能人数を増やすことができない運営者は、会員を施設の他エリアへ誘導することに集中すべきなのでしょうか?リテンションマーケティングの第一人者であるポール・ベッドフォード博士はそう考え、収容可能人数に関するインサイトこそが会員獲得につながる礎石であると提言しています。

「これ以上筋力トレーニングマシンの稼働率を上げられないのであれば(収容可能人数を最大化するための努力はすべて行ったうえで)、まだ施設内でスペースに余裕があるエリアを主に使用する見込みのある会員にターゲットを絞った方がいいのです。」とベッドフォード博士。「こういった見込み会員のニーズを満たす方が比較的容易であり、彼らがより長くクラブに滞在し、生涯価値をもたらす可能性は非常に高いので、必然的にマーケティングに係る費用対効果率も上がるでしょう。」

3. ハイパートロフィーが上位に

米国のクラブチェーン、Life Timeが2024年に実施した健康とウェルネスに関する調査によると、米国の消費者は依然として強さとウェルネスを最も重要視する傾向にあります。現在トレーニングに励んでいる人たちにとって、筋肉をつけることは最優先事項であり、 回答者の36%が「(筋肉をつけることは)一番の目標だ」と答え、前年より3%増えました。

回答者のほぼ2/3(64%)が何よりも健康とウェルビーイングを優先すると答えており、これは2023年と比べて29%増にあたります。主な動機として、「好きなことをできるだけ長く続けたい」という回答が多かったですが、依然「見た目の改善」も動機として存在しており、4.5キロの減量と引き換えにソーシャルメディアを永久にやめてもいいと回答した人は36%にのぼりました。

4. 低負荷トレーニングがトレンドに

Mindbodyの2024年予測レポートによると、筋力アップに注目が集まる中、低負荷トレーニングへの需要も増加傾向にあるようです。ソーシャルメディアでのバズもあり、ピラティスは復活を遂げました。現在、平均的なアメリカ人のフィットネスルーティンは40%が低負荷トレーニングで構成されており、このレポートは、軽めの動きへの意欲が急上昇していることを裏付けています。2023年に最も人気のあったワークアウトはピラティスであり(クラスの予約は92%増加)、続いてヨガ、筋力トレーニングという結果でした。2022年と比べると176%も増加した低負荷トレーニングのクラスを見れば、エクササイザーがウェルネスとリカバリー系のトレーニングを求めていることは一目瞭然です。

5. クラブは信頼性を重視

毎年ACSM(アメリカスポーツ医学会)が発表している「フィットネストレンドレポート」では、2024年のトレンドとして、「有資格のプロフェッショナルに対する報酬」と「有資格のプロフェッショナルの雇用」がトップ10にランクインしており、クラブ運営者が信頼性を重視していることが強調されています。

消費者がフィットネスに使うお金をめぐっては、無資格のインフルエンサーとの間で競争が激化している業界において、クラブ運営者は、前述のプロフェッショナルが会員にもたらす専門知識と信頼性に対して、これまでの倍の報酬を支払っているという事例も報告されています。

では、どのような取り組みが信頼につながるのでしょうか? ACSMのレポートでは、提供するサービスの科学的根拠や品質こそがデジタルライバルに対する優位性となり、安全でやる気を起こさせ、確かな結果へと導くワークアウトを提供する場所として、クラブを認知させることを指摘しています。

6. 女性は運動をするための時間確保に苦戦

Asicsが最近発表した男女の運動格差に関する報告書書によると、女性は運動に対して、「その他の義務と両立できない(76%)」や「時間がない(74%)」など、複数の障壁に直面していることがわかりました。



また、世界中から集められた約25,000人の女性エクササイザーが回答した前述の報告書は、フィットネスをやめた理由として、61%の女性が母親になったことを挙げています。母親や介護者の運動復帰をサポートすることは、産後の健康にとてもポジティブであり、クラブが大きな価値を見出せる分野であることが証明されています。産後の母親がクラブで有酸素運動や筋力トレーニング、体幹トレーニングなどに取り組むと、うつ状態や不安定な精神状態の改善が学術調査で示されています。