
LES MILLS THRIVEはどんなプログラムですか?
主に体幹と下半身の強化、柔軟性と安定性の向上が見込める低強度のワークアウトです。各45分のクラスは、気分が上がる音楽と的確なコーチングに加え、グループで一緒に楽しみながら体を動かすことができます。自重をはじめ、負荷を加えるためのウェイトや、バランスを取るための支えを使用したオプションなど、自由に選ぶことができるので様々なフィットネスレベルの方に適しています。
特定の年齢層を対象に開発されたプログラムですか?
高齢者の運動不足は社会問題となっています。ある研究によれば、実に高齢者の43%が運動不足であり、この割合は若年層と比較して非常に高いことがわかっています。巷で高齢者に向けたプログラムはいくつもありますが、いわゆる中高年に向けたものはまだまだ限定的です。LES MILLS THRIVEは誰でも参加することができますが、これまで親しんできたグループフィットネスから強度の低いプログラムへと移行したい方や、運動習慣をつけたい方、年齢の目安としては55歳以上の方などを主な対象としています。低強度でありながら、他のプログラムと同じように楽しみながら行うことができるワークアウトです。
定期的な運動は、糖尿病や高血圧、心疾患、脳卒中といった生活習慣病をはじめ、さらには一部の癌など、様々な病気の予防に役立つと言われています。これらのリスクを考えると、中高年にとって継続的な運動の重要性は明らかです。加えて、メンタルヘルスの向上やQOL(生活の質)の改善にもつながり、ウェルビーイングを高める意味でも期待できます。例えば50代のうちに適した形での運動を習慣化できれば、将来的な健康リスクが軽減するだけでなく、より充実した毎日を送ることができるのです。
なぜファンクショナルトレーニングと呼んでいるのでしょうか?
LES MILLS THRIVEは、ファンクショナル(=機能的、実用的の意)トレーニングの好例です。なぜなら、プログラム中に行う動きが日常的に行う動作に直結しているからです。ランジやスクワットなどを通して、ウォーキングエコノミー(歩行の効率)の向上を目的としています。立つ、しゃがむ、座るなど、日常生活における基本的動作の質を高め、よりスムーズな歩行をサポートするプログラムです。
「ウォーキングエコノミー」とは? また、なぜ重要なのですか?
高齢者にとって、身体活動の低下を防ぐには歩くことが何より重要な役割を果たします。年齢を重ねるにつれ、身体活動の大部分を歩行が占めるようになるため、歩行能力の低下は身体活動全体のレベルに悪影響を及ぼします。
加齢に伴い、自然とVO2max(最大酸素摂取量)は低下します。そして、VO2maxの低下が著しい場合、例えばベッドから起き上がり部屋の中を歩くだけで最大値の90%にまで達してしまうのです。私たちのようにフィットネス業界に身を置く人間であれば、90%まで追い込む感覚がどのようなものか理解できるでしょう。もし仮に、郵便物を取りに行くだけといった日常的な動きでVO2maxの90%に達するとしたら、身体を動かそうとは思わなくなってしまいますよね?そこから身体活動の悪循環が始まってしまうのです。
歩行能力の向上は、問題が起きてから対処するのではなく、問題が起きないように予防することなのです。
この新しいプログラムは、どのような科学的根拠に基づいて開発されたのですか?
歩行時の代謝効率を上げることができれば、人はより積極的に歩くようになり、結果として身体活動量の維持につながります。日常的にアクティブでいることで、様々な疾患リスクの軽減につながるのです。
こういった考え方をベースに、私たちは「ウォーキングエコノミー」に関する資料の系統的レビューを行いました(今まで、他者がこのような研究を行ったことはありませんでした)。加齢に伴う歩行の変化に対し、どういった要因が影響を与えるのかを徹底的に分析し、専門的な知見を掘り下げました。
LES MILLS THRIVEを開発するにあたっては、筋力、推進力(前へ進もうとする力)、バランス感覚、安定性、対称性など、効率的な歩行に不可欠な要素の強化に重点を置きました。また、変形性股関節症や膝関節症といった症状に悩む方々の機能向上を目的に、NEMEX(神経筋運動)プログラムからヒントを得た神経筋トレーニングの要素も採用しています。
その結果、柔軟性や筋力、コーディネーションを高めるワークアウトが完成しました。下肢の推進力や安定性をもたらす筋肉群をターゲットに、バランスやコーディネーション、そして何より全体的な運動能力の向上を目指しています。
特にどういったところが優れているのですか?
無理なく運動を習慣化でき、筋肉や骨への適度な負荷も提供できるプログラムになっています。結果として、日々の身体活動をより安定したものにするだけでなく、精神的な充実を得られるようにもなります。LES MILLS THRIVEの動きはどれも日常生活に直結しているので、誰でも無理なくこなせるものばかりです。だからこそ、自分の身体が本当に必要としているトレーニングだと実感できるのです。
Les Millsのクリエイティブディレクター、カイリー・ゲイツは、LES MILLS THRIVEの特徴として「音楽」を挙げています。「とてもノスタルジックで、歌詞を知っている曲が多いので、とにかくワークアウトが楽しいです。それに加え、思っている以上に負荷をかけられる点もポイントです。ゆっくり丁寧に動くことの強度に驚く人は多いでしょう。クラスに参加した人たちは、小さな動きの積み重ねが筋力強化や柔軟性向上に大きな違いをもたらすことを実感しています。シンプルな動きでも、しっかり筋肉を使っていることを感じるのです。もちろん負荷の調整も簡単なので、どんなレベルの方にもピッタリのワークアウトです」。
LES MILLS THRIVEの魅力は?
LES MILLS THRIVEのファンになる人はあとを絶ちません。自重はもちろん、負荷を加えるためにウェイトを使ったオプションから、バランスを取るために支えを用いたオプションまで、個々のレベルに合わせて強度を選べるからです。さらに、懐かしいヒット曲が気分を盛り上げてくれます。ゆっくりしたテンポなので、正しく動くことや負荷をかけることに集中できる点も見逃せません。自分のペースで進められるので、プレッシャーもありません。同じような目的を持った人たちが集まることで、強いコミュニティが生まれるのも特徴です。
LES MILLS THRIVEのコーチングについては?
動き自体はシンプルなので、的確なコーチングを行いやすくなっています。インストラクターにとっての課題は、各参加者が適したオプションを選べるようにサポートすることです。自重で行う、ウェイトを使う、椅子を用いるなど、様々なオプションがあります。
最初のセッティングさえ整えば、とてもやり甲斐のあるクラスになります。各ムーブメントの科学的な背景を理解することで、インストラクターは自信を持って指導できます。つまり、クラスの参加者は各ムーブメントが歩行能力の向上に与える影響を理解できるのです。モチベーション面では、追い込む代わりに楽しさとコミュニティの大切さを伝えましょう。準備が整い、プログラムの効果を伝えたら、あとはどれだけ楽しさを引き出せるかがインストラクターの腕の見せ所です。きっとこれ以上ない充実感を味わってもらえるはずです。
LES MILLS THRIVEのトレーナー、チェルシー・サベージは、「人生を変えるプログラムの開発に携わることができて嬉しいです」と言います。「LES MILLS THRIVEには、よりスムーズかつ快適な身体活動をサポートし、生活の質を向上させる力があります。IMTでは、各ムーブメントの科学的根拠や効果を学べます。クラス参加者は、より自信を持って、立つ、しゃがむ、座る、そして歩くといった日常的動作をこなせるようになります。まさに、日々の生活を快適にするためのプログラムです」。
IMTのご案内
Les Millsプログラムを指導するための基礎を学ぶ初期トレーニング、IMT(イニシャルモジュールトレーニング)は随時申し込み受付中です。LES MILLS THRIVEは、1日の研修と認定アセスメントビデオの合格をもってライセンスを取得することができます。スケジュールや申し込みはこちらからご確認ください。
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