スタジオで提供できる最も人気のあるクラスは何でしょうか?力強いHIIT、癒しのヨガ、それとも定番のストレングスクラスでしょうか?答えは、数字を見れば明らか - インドアサイクルが群を抜いているのです。
いくつかの新しい研究結果では、インドアサイクルが一番人気のスタジオプログラムであることが示されました。また、Les Mills グローバル・コンシューマー・フィットネス・サーベイ(22カ国、12,163人のフィットネス参加者を対象にした調査)によると、世界のフィットネス市場の20%が、現在インドアサイクルクラスを実施、または導入を検討していることがわかっています。
一方、DataHubとukactiveによる英国の調査「Moving Communities : Active Leisure Trends2018(2018年アクティブレジャー調査)」で、2017年のグループエクササイズ参加率を調べたところ、インドアサイクルが13%を占め1位に、続いてヨガとピラティスが7%で同率2位、そしてBODYPUMPが6%でした。英国の300万人のフィットネス参加者を対象に、396の施設に、計1億5,000万回の訪問をベースに調査した数字です。
それでは、クラブ運営者にとってこれは何を意味するのでしょうか?
成長しているカテゴリー
体験型を重視するブティック、自宅やバーチャルプログラムの普及、さらにパフォーマンス重視のクラスにより、近年サイクルプログラムは急成長しています。この傾向は、インドアサイクルの可能性を広げ、差別化を図る意味でも非常に効果出来であることがわかってきました。
一部の業界関係者がインドアサイクルはピークに達したと言及する中、最新の調査ではむしろサイクルプログラムの将来性について触れています。コンシューマー・フィットネス・サーベイによると、ミレニアル世代の29%が現在スタジオのサイクルプログラムに参加している、または参加を検討していることがわかり、インドアサイクルの将来のポテンシャルについて述べています。
クラブ経営者にとっては明るい話題です。スペース稼働率が良く、様々なクラブ会員層にリーチできるワークアウトだからです。
特に、「Resolve Fitness in Australia」では、インドアサイクルを展開することで、クラブ会員獲得に成功しています。
クラブマネージャーのFreyja Gunn氏は、「インドアサイクルは、幅広い年齢層に魅力的なプログラムです。弊クラブでは、最年長の参加が84歳の男性で、最低でも3回インストラクターによるサイクルレッスンに参加しているんです。」と語ります。
「インドアサイルは、ジャンプしたりすることなく、カーディオトレーニングの効果を期待できます。怪我をして走ったりすることができない方にオススメです。」
将来性の高さ
新しい報告書では、幅広い層に響くため、インドアサイクルの成長は止まることが無いと説明しています。その上でもっと重要なのは、カテゴリーの魅力だけではなく、お金をかけてでも参加したいと思っているレッスンと言うことです。
SoulCycleやFlywheelのような人気プログラムに牽引されたサイクルプログラムは、10年前のブティッククラブの出現から人気プログラムでした。しかし、86%のブティックユーザーが他のスポーツクラブの有料会員でもあることから(2016年IHRSAヘルスクラブコンシューマーレポートしらべ)、会員のほとんどは総合スポーツクラブの会員でありながら、サイクルプログラムに参加するためだけにブティッククラブに通っていることがわかりました。
最近行ったコンシューマー・フィットネス・サーベイにも裏付けされており、世界のフィットネス消費者人口の半分(51%)が総合型スポーツクラブではない運動施設の会員であり、総合型スポーツクラブ会員の33%が他の施設の会員でもあることが示されています。
現在会員であるクラブに通いながら、他のフィットネス体験を求めて別施設にお金をかけて通う人もいます。ただこの傾向がいつまで続くかわかりません。そのうち、現在の会員をやめ、参加したいフィットネス体験のみをいくつか契約していくことになるかもしれません。
では、どのようにしてスポーツクラブは、会員維持のリスクを乗り越え、他の施設で体験していることをメンバーに提供することができるでしょうか?
まだ見ぬ可能性
それでは、サイクルにはどのくらいのポテンシャルがあるのでしょうか?調査によれば、総合型スポーツクラブの月会費平均が52米ドルのところ、サイクルスタジオに特化した施設の月会費は平均111米ドルということがわかっています。 (IHRSA Boutique Studio Phenomenon2016)。
近年のインドアサイクリングの著しい成長を踏まえると、総合型スポーツクラブがインドアサイクルプログラムを導入することで、会員を引き寄せることができると言えます。
インドアサイクルプログラムの業界平均参加者数に対して、サイクルプログラムが成功している施設の参加者数は高く、グループサイクルプログラムのポテンシャルを過小評価していることがはっきりしています。
サイクルスタジオのある典型的な総合型スポーツクラブでは、サイクルスタジオの稼働率は20%にすぎず、それだけでUS$180,000の損失に等しいです。このようなクラブは1日に何回か同じサイクルプログラムを展開しており、いつも同じ方が参加している傾向にあります。
しかし、成功したクラブでは、他のグループエクササイズプログラム同様、異なるサイクルプログラムを展開することで、幅広い層にリーチできることを知っているのです。ダブリンのWEST WOODクラブはいい例です。インドアサイクルプログラムの種類を再検証したことで、スタジオ参加率を80%までに伸ばすことができたのです。
Group FitnessマネージャーのTine Bogsted氏は、「以前は通常のスピンクラスだけで、うまくいっていました。しかし、参加率は下がっていたので、なんとかしないといけないと思っていたのです」と言います。
「そこで、私たちはLes Millsのサイクルプログラムを契約しました(TRIP™、LES MILLS SPRINT™、RPM™ と RPM Virtual)。それ以来ますます需要が伸びていきました。
「現在、1つのスタジオに4つの異なるプログラムを行なっています。ライブクラスかバーチャルを展開していて、スタジオ稼働率は80%です。入会希望者に施設案内をする際には、必ずそのスタジオが稼働している状況なので、我々にとっては強みとなっています。」
サイクルエクササイズを幅広い会員にアピールする方法はたくさんあります。ただ、それをするためには、クラブがいろんな客層にリーチできる様々なプログラムを展開している事が前提条件となります。
ドイツのFitnesscamp Westerwaldでは、最近サイクルスタジオに大きく投資しました。スタジオデザインへのこだわり、そして幅広いプログラム展開したため、新規会員獲得に貢献しました。新規会員には、スポーツチーム、サイクリングファン、法人会員、学校などが含まれます。
Fitnesscamp Westerwaldの共同オーナー兼Group FitnessマネージャーであるAlexandra Martin氏は、「弊クラブのサイクルクラスの現在の参加率は85%で、満員になってしまうクラスも多いのです」と言います。
「現在、予約システムは使用していません。クラスが混雑している場合は、他のグループエクササイズプログラムに参加いただいているため、他のプログラム参加率も伸びていて、相乗効果が見られます。」
このような事例は、費用対効果もいいですし、会員を他の施設に奪われないようにしっかり戦略を立てていると言えるでしょう。様々な種類やオプションを提供することで、サイクルスタジオは満員になり、会員維持にもつながり、また口コミで新規会員獲得に貢献していると言えます。