繁忙期以外で新規会員獲得することはクラブにとって課題になっていることでしょう。しかしフィットネス需要が高まっている今、会員獲得を伸ばすための戦略を立てるには最適なタイミングでしょう。
パンデミックにより新しいフィットネスファン層が増えており、定期的に運動する人の27%が自らを「初心者」と呼んでいることがわかりました。
新会員へのアピールや彼らの求めているフィットネスニーズに応えられるクラブ経営者にとってはビジネスチャンスになるでしょう。
伝説のクラブマネージャーで作者のハーブ・リップスマンは、初心者をもっと取り込み、現在ジムに通わない人たちにリーチすることこそが2022年最大のチャンスだといいます。
「パンデミックは人々の健康意識を高め、健康を維持するためには自らが行動しなければならないと思う人が増えました。そのため、フィットネスを主流にする活動を始めなければいけません。
ずっとこの話題はしてきているので、大きなインパクトを与えるためには全く新しいものの考え方や取り組みをする必要があります。クラブに来てもらうための施策は何か?もしかしたらその第一歩はフィットネスじゃないかもしれません」
マーケティングで最も有効な方法の一つは口コミですが、それにはクラブが強みを最大限発揮していなければ成立しません。タイムテーブルの充実が紹介に効果的と思われる理由は、会員はクラスやインストラクターについて話をしたがるので、その点で満足感を得られると友人にも話をしたくなるのです。
グループフィットネス参加者はジムのみの利用者に比べて、18%も多く、10人以上の非会員に紹介するということがわかっています。(Qualtrics調べ, 2019)
「長年のクラブ管理経験から、グループフィットネスが最も会員を呼び、会員同士がつながる強いツールだと思います」とリップスマンは加えます。
「またSNSなどを通じた紹介にも効果的です。SNSで好きなトレッドミルやマシンの話を投稿する人はいないけど、最高のインストラクターとともに実施したクラスについては投稿しますよね」
それではどのようにして既存会員を通じて新規会員を獲得すればいいのでしょうか。その8つの方法についてこの記事はまとめます。
1. 会員のモチベーションをつつく
隔離とロックダウンにより余儀なくされた自宅ワークアウトの反動で、消費者は人とのつながりを求めています。2021年のグローバルフィットネスレポートによると、クラブ会員の67%がグループで行う運動を好み、その結果グループエクササイズが筋力やカーディオトレーニングを抜いて最も人気の運動であることがわかりました。
クラブはコミュニティ醸成と人との繋がりの機会を創る場所として理想的です。そして、コロナから目覚ましい復活を遂げているクラブの多くは交流を大事にした体験を提供したからこそ成功しているのです。
調査によると、フィットネスをはじめたいと思っている人の3分の2がクラスのクオリティがよければ入会を検討すると言っているように、会員獲得につながる要因の一つが交流の場を提供することだとわかります。
フリーパスを配布するクラブが多いのも、友人にフィットネス体験を共有してほしい気持ちを尊重しているからなのです。
推奨:入会を促すような特典や無料体験などを取り入れましょう
2. 友人とのつながりを活かす
お友達紹介キャンペーンの成功は、会員が紹介したいと思うかにかかっています。コミュニティやつながりを重視する今、「つながりをプレゼント」しましょう。
会員には友人に「フィットネスをプレゼント」するよう促し、一緒に運動する良さを伝えてもらいましょう。あからさまに入会させるというメッセージを伝えるのではなく、「プレゼント」という形で紹介してもらいましょう。
3. スタッフの強みを活かす
人とのつながりが求められている今、クラブで働く人たちの役割もとても重要になります。
ライブクラスを選ぶ際に最も重要なのは、音楽(24%)やクラス種類(21%)を抜いて人気インストラクター(28%)でした。モチベーションアップとよりクラスに親近感を覚えてもらうために人気インストラクターは欠かせません。
スタッフは、特に新規会員獲得には大事です。クラブ入会を検討している人のうち30%が雰囲気が重要だと応えていますが、59%はスタッフが重要だと言っています。スタッフがどのような役割を担い、どのように活用するか検討しましょう。
推奨:インストラクターやトレーナーなどのスタッフに紹介制度を活用して新規会員を獲得してもらえるように、紹介できた人数に合わせたインセンティブを考えましょう。
4. 入会検討者をイベントに招待
フィットネス消費者のうち55%は休止またはあまり活発ではなく、フィットネスを最優先していません。彼らを取り戻すために関係構築が大事ですが、それをするためにイベントなどを使う手はないでしょう。
インストラクター、ワークアウト、コミュニティ醸成含むブランドを表現するのにイベントはとても効果的です。イベントに友人を招待でき、会員候補とのつながりの場を作れます。
推奨:新曲リリースを活用して、イベントなどを企画して紹介キャンペーンを実施しましょう。
5. デジタル強化
2021年のグローバルフィットネスレポートでは、これからもデジタルフィットネスを活用したいと回答している人が80%もいたように、デジタルは今後のクラブの成功に欠かせません。
初心者の81%がグループワークアウトに興味を持っていますが、67%は今は1人でワークアウトしたいと思っていることからわかるように、クラスに参加するまでには自信を持ってもらうことが重要なポイントです。
入会検討者の不安を払拭するためにどのようにデジタルを活用できるか検討しましょう。自宅で練習して自信をつけ、クラブでクラスに参加できるように導いてあげましょう。
推奨:入会特典として、1ヶ月デジタルコンテンツ無料などのインセンティブをつけましょう。
6. お得感を出す
「お得」情報は誰にとっても魅力的ですが、生活費が上昇する今、外出を控え、節約する人が増えています。
パンデミック中は、お金をかけずに運動する方法を取り入れ、今後も同じ手法で運動を続けることでしょう。LES MILLSが実施したアンケートでわかったことですが、フィットネス消費者にとってサブスクで最も魅力を感じるのは特別割引ということがわかっているので、お値打ち感はとても大事です。
一回きりの紹介キャンペーンも大切ですが、いつでも紹介できるようなロイヤリティプログラムを採用することも会員のモチベーションを持続させます。
紹介する人数によって特典を渡すようなシステムを構築しましょう。段階にわかることで、ゲーム性もあり、会員のモチベーションも高まります。
推奨:1ヶ月無料券などを検討しましょう。
7. クロスセル(抱き合わせ)を提供
紹介キャンペーンを通じて、他の関連商品やサービスを訴求しましょう。新規会員にとっても既存会員にとっても効果的なインセンティブです。
LES MILLSアンケートで最も魅力的と思われたのは、SMARTTECHイクイップメントの20%割引でした。クラブであれば最新の商品やサービスまたは、パートナー企業と組んで何かしらを提供するのがいいでしょう。
推奨:ペットボトル、バッグ、タオルなどシンプルなものでもいいでしょう。このようなグッズをクラブ外で使ってもらえるとクラブの認知度アップにもなります。