目次:
- 朝食とダイエットの関係性
- ファスティングとエクササイズの真実
- 栄養源の高い朝食について
朝食を食べる人は本当に健康的なのか?
栄養学の専門家は、一般的に常に朝食を推奨しています。世界中の公式な健康食ガイドラインにも記載されています。これまでの研究でも、健康な人は朝食を食べる傾向があることが示唆されており、朝食を食べる人は全体的に健康で、体重も少ないことが分かっています。朝食を抜いた人は、その日のうちに食べ過ぎてしまうか、空腹を埋めるために不健康な食べ物に手を出してしまうのでは、という考え方がありました。
しかし、新たな研究により、”一日の中で最も重要な食事”という朝食のイメージに議論が巻き起こっています。British Medical Journalに掲載された内容には、特に体重管理の観点から、朝食を食べる人は食べない人よりも全体的に摂取カロリーが高く、体重もやや多いことがわかりました。このことから、朝食は減量には向かないかもしれないと、研究者は述べています。これは、朝食を摂った日のエネルギー摂取量が全体的にやや高くなる傾向があることを示した他の研究結果を反映しています。
しかし、意外なことに、朝食に特化した研究はあまり行われていないのも事実です。そのため、上記の結果は慎重に解釈されるべきであると述べています。
ファスティングトレーニング:朝の運動前に食事はとるべき?
多くの場合、朝のトレーニングの前に食事をすることで得られる結果は、個人によって異なります。
2013年にBritish Journal of Nutritionに掲載された研究では、ファスティングトレーニング(空腹時の運動)が有益かどうかが調べられました。その結果、朝食をとらずに運動した男性は、エネルギー不足にも関わらず運動を行うことができ、さらに、その日のうちに食欲や空腹感、食事量が増加することもありませんでした。また、断食した人は、ワークアウト前に朝食を食べた人よりも、より多くの脂肪を燃焼させました。
ですが、2017年にこの分野のすべての研究を調べたところ、絶食状態でも摂食状態でも、有酸素運動後の「身体量と組成の変化はわずか」であることがわかりました。つまり、運動前に朝食を食べても食べなくても、大きな違いはないのです。そのため、「絶食状態で運動を実施しても、体重の減少や除脂肪体重の変化には影響しない」と結論づけています。審議はまだ平行線のようです。
朝食を抜くのではなく、遅らせることで得られる効果について、興味深い調査結果が見つかっています。つまり、夕食と朝食の間隔を長くとるということです。この「16-8式ダイエット」とは、1日のうち8時間だけ食事をするというもので、人によっては効果的な減量法になります(ただし、他の多くの減量法と比べても、良いとも悪いとも言えないという研究結果が出ていることは注目に値します)。断食は腸内細菌に休息と回復の機会を与えるため、この方法には腸内細菌にとっても利点があるようです。食事と食事の間の12時間の休憩でさえ、このような利点があるのです。
このことから、朝食は健康上の厳格なルールというより、むしろ個人の選択であることがわかります。
しかし、専門家は、最大限の効果を得るために、運動する1時間前に朝食をとることを勧めています。朝早くから運動する場合は、運動する前にヨーグルトと果物など少量のものを食べ、運動後にきちんとした朝食を摂ることで、筋肉を回復させ、再生させることができます。
なぜ朝食を摂るのが良いのか?
運動をしているかどうかに関わらず、朝食を食べることを支持する最も良い論拠の1つは、優れた栄養を摂取する良い機会であることです。朝食を食べないと、1日に必要な栄養を摂取するための食事が1回分少なくなってしまいます。朝食は、パンやシリアル、果物、野菜などの全粒穀物から食物繊維を、卵や牛乳、ヨーグルトなどからたんぱく質を摂取できる食事です。さらに、これらの食品に含まれる他のすべての栄養素も摂取することができます。朝食をとらないなら、他の食事やおやつをパワーアップして、最高の健康食材を一日に摂取する必要があります。
ポイント:断食を解くときは、可能な限り最高の燃料(栄養)を摂取するようにしましょう。
健康的な朝食とは?
朝食には、タンパク質と炭水化物、理想的には食物繊維の多い炭水化物を摂ることが大切です。シリアルを食べるなら、加工されたものではなく、全粒粉のオーツ麦を使ったミューズリーやグラノーラ、種やナッツがたっぷり入ったもの、さらには食物繊維が豊富で、糖分が少ないものを選びましょう。牛乳やヨーグルトでタンパク質を補給し、フルーツを一杯食べれば、1日の良いスタートが切れそうです。あるいは、全粒粉のトースト、卵、豆腐と野菜にするのもオススメです。
フィットネスプロ達はいつ、何を食べているのか
エリン・モウは、朝のワークアウトの前に必ず朝食をとります。「私たちの体は炭水化物、脂肪、タンパク質を燃料として使うので、ワークアウトの前には必ずそれを体内に取り込むようにしています。バナナのような複合炭水化物、ナッツバターのような良質な脂肪、プロテイン(通常はココナッツヨーグルトと混ぜたプロテインパウダー)、または小さなプロテインシェイクで燃料補給をします。大きな運動をしたときは、大きなボウルに入ったプローツ(プロテインオーツ)を食べます。」
ベン・メインは、早朝のワークアウトの前には通常食事をしません。「どちらかというと、緑茶かコーヒーを飲みます。でも、ワークアウトの後は、プロテインシェイクを飲みます。その30分後に、炭水化物、脂肪、タンパク質がたっぷり入った食事をします。卵白オムレツ(フライパンで火を通したあとにオーブンで焼いたもの)に勝るものはありません。1日の始まりにいつもおいしいタンパク質を摂取できるんです。」
カイリー・ゲイツは、一日の始まりにブラックコーヒーを選びます。「午前中に、栄養価の高いタンパク質を含む食事をします。以前はオーバーナイトオーツを食べていましたが、穀類はあまり好きではないことに気づきました。今は、卵、山羊のチーズ、魚(水銀が少ないのでイワシが多い)のタンパク質が豊富な朝食を取ります。」