「フィットネス業界において成功し続けたいのであれば、常にスキルアップしていかなければいけません。」とベテランインストラクターのコーリー・バイヤードはいいます。
インストラクターとして長く活躍するには、成長思考と、業界の進化に適応できるカメレオン的な資質が必要です。音楽業界でも同じようなことが言えますね。例えば、ビヨンセ、マドンナ、カイリー・ミノーグなど、何十年という時を超えてなおヒットチャートを賑わすアーティストと、彼女たちと同時代のアーティストを比べてみてみましょう。才能に溢れているのはもちろんですが、業界の方向性や、視聴者が何を求めているものを鋭く見抜く力も持ち合わせているからこそ、今でも最前線を走り続けることができるのです。
フィットネス界の最新トレンドである「ヘビー・リフティング」に話を移しましょう。最近のMindBodyのレポートによると、2022年に最も人気のあるフィットネスジャンルは筋力トレーニングだそうです。このトレンドを牽引しているZ世代が好むワークアウトは、筋力トレーニング、次いで有酸素運動、ヨガ/ピラティスと続いています。
また、SNSを見て育ち、多様性を尊重するこの世代にとって、#girlswholift(リフティング女子)のようなハッシュタグが、筋力トレーニングを始める若い女性の数を増やしているのは当然のことかもしれません。この記事では、インストラクターが、指導するレパートリーに筋力トレーニングベースのプログラムを入れるべき3つの理由についてご紹介します。
- クラスを満たすために
参加者を増やしたり、次世代の会員をクラスに引き付けたいと考えているなら、筋力トレーニングはマストアイテムです。MindbodyとClassPassによる共同レポートによると、2022年に最も人気のあるワークアウト方法は筋力トレーニングで、筋力トレーニングクラスの予約は2021年より94%増加しました。
また、筋トレはZ世代がスタジオに足を運ぶ要因にもなっています。Z世代の50%が筋力トレーニングクラスを受講しており、彼らが好きなグループワークアウトとして2021年の10位からトップへ急上昇しランクインしています。間もなく世界人口の30%を占めることになるZ世代は、ミレニアル世代と合わせてフィットネス市場全体の80%以上を占めるため、今この層に対応することは、クラスの参加者数を高く維持し、新しいクラスを増やすために極めて重要です。
- 健康上のメリット
筋力トレーニングは、インストラクターと会員に数え切れないほどのメリットをもたらします。
- メンタルヘルスの向上:重量に関係なく、リフティングをすることで精神衛生上のメリットを享受できるという研究結果があります。これは、筋肉がそれをもたらすというよりも、レジスタンストレーニングに付随する達成感や自信が重要であることを示唆しています。また、筋力トレーニングが姿勢の改善につながり、それが気分の改善につながることもわかっています。
- 睡眠時間の増加: 研究によると、有酸素運動のみの場合と比較して、リフティングをした人は1晩あたり40分睡眠時間が増えました。多くの人たちが睡眠不足に陥っている現代において、プログラムにウェイトトレーニングを加えることは、睡眠時間を増やす簡単な方法です。
- 寿命が伸びる:米国国立がん研究所の研究者たちは、約10万人の成人データを10年間かけて調査した結果、筋力トレーニングが最も人生を変える運動方法である可能性があるとの結論を出しました。有酸素運動をしている人の死亡リスクがわずかに低下するのに比べ、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた場合その効果は飛躍的に伸び、死亡リスクが40%低下することが判明しました。また、中程度の筋力がある人は、糖尿病になる可能性が32%低いという研究結果もあります。日本ではさらに、週に30~60分の筋力トレーニングを行うだけで、全死因死亡率が10~17%低下するという研究結果も発表されています。
- 骨強度の維持: 骨密度を高く保つことは、骨折や骨粗鬆症のリスクを減らし、健康全般の基礎となります。40歳を過ぎると、骨密度は加速度的に減少し始めるが、低重量・高反復のレジスタンス・トレーニングがこの問題を軽減するのに役立つという研究結果があります。運動する人たちのグループを対象に、27週間にわたって研究を行った結果、定期的な筋力トレーニング(週2~3回)を行っている人は、腕、脚、骨盤、背骨の骨密度が増加していることが判明しました。また、骨密度の向上に直結する、スクワットの筋力も目覚ましく向上していました。
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時代の先端を行く
Les Millsラボのメンバーは、常に新しいイノベーションを生み出し、メンバーを飽きさせない工夫をしています。その最新プログラムであるLES MILLS Strength Development™ (ストレングスディベロップメント)は、レジスタンストレーニングの3つの主要な手法を段階的に進めていくグループトレーニングの新しいアプローチで、参加者の運動能力を高めながら、より強くパワフルな身体作りをサポートします。ニュージーランドにあるLes Millsのクラブで試行されたこのプログラムは非常に好評を博し、現在世界中で導入されています。
「ピーク時のクラスには50〜60名が参加しています」と、Les Mills Auckland Cityのグループフィットネスマネージャー、タッシュ・ヴィンセント氏は言います。「午前中のようなピークでない時間帯でも20〜30名は参加しています。12週間のサイクルで実施しているこのプログラムをタイムテーブルから外すたび、メンバーが落胆するくらい人気があります。普段はグループフィットネスをやらないような新しいメンバーがたくさんクラスに参加しています」。
Strength Developmentは、運動科学に基づいた安全なワークアウトで、次世代の会員が求める結果が出せるようデザインされています。オークランド工科大学(AUT)と実施した12週間の研究では、参加者の1レップマックス(1RM)が、デッドリフトで平均15%、スクワットで9%、ベンチプレスで7%向上しました。また、基本のリフティングを行う能力において22%もの自信の向上が見られました。
また、英国のジムチェーンVillage Gymでは、12週間のパイロット期間を通して平均クラス稼働率95%を達成し、プログラム参加者の半数以上に来館頻度の向上が見られました。他にも、以下のことが明らかになっています。
- 参加者のうち95%が、今後もStrength Developmentクラスに参加すると回答
- 参加者のうち96%が、Strength Developmentを誰かに勧めたいと回答
- 参加者のうち98%が、指導の質に満足していると回答
- インストラクターの100%が、今後もStrength Developmentの指導を続けたいと回答
Strength Developmentと並んで、BODYPUMP™とLES MILLS GRIT™ Strengthも、世界中のスタジオで多くの人を魅了し続けています。革新的なプログラムも数多く開発中であり、今後また新しい筋力トレーニングプログラムが発表される予定です。ご期待ください。