色彩心理学:何を着るかでワークアウトは変わるのか?

赤いタイツを履けば、より高く飛べる?緑を身につければ、より速く動ける?オレンジのアイテムを着ると、ヨガのレッスン中に何かが起こる?今回は、色彩心理学と運動能力の関係性を深掘りします。

赤を身につけて競技に臨むアスリートは、他の色を身につけているアスリートよりも優れたパフォーマンスを発揮することができる。これはかねてから言われていることで、赤は着る人に自信を持たせてくれるという考えからきています。逆に、相手側には攻撃的で支配的に映るとされています。長年にわたって赤いユニフォームのスポーツチームが好成績を残していることも、この定説を裏付けています。例えば、マンチェスター・ユナイテッドやリバプール、アーセナル、カンザスシティ・チーフス、サンフランシスコ・フォーティナイナーズなどです。

しかしながら、赤にまつわるスポーツチームの成功は単なる偶然かもしれません。2022年に色彩心理学とスポーツに関する69個の研究をメタ分析した結果、色が身体的能力に影響を与えるという証拠は、かなり少ないということがわかりました。

それでも、色と感情がリンクしているということはわかっています。身につける色は、気分に影響を与えます。気分が良ければ良いワークアウトができ、良いワークアウトができれば気分も良くなるので、永遠に続くポジティブなサイクルが出来上がるのです。

色が感情に大きな影響を与えるのは、色相によって波長や光の周波数が異なるからです。光が目に入り、脳への神経経路を通るとき、異なる光レベルがさまざまな感情や行動を引き起こすのです。

ある色は人を興奮させ、エネルギーを与えます(一般的に鮮やかな色や彩度の高い色)。またある色は人を落ち着かせ、リラックスさせます(一般的に明るい色)。ある研究では、62%の人が特定の色を見ると怠けてしまうという結果も出ています。

もちろん色の好みは主観的なものであり、何色を身につけるかは個人が決めることです。最も重要なのは、自分の心に響き、気分が良くなる色を身につけることでしょう。気分が良くなるワークアウトウェアを着ていれば、優れたパフォーマンスが発揮され、100%の力を出せるはずです。

色彩心理学で心に留めておくべきこと

赤を身につけて強気に

色スペクトルの中で赤は最も波長が長く、力強く、人を元気づける色です。心拍数や注意力を高め、エネルギーを与えてくれます。しかしながら、赤を使いすぎると攻撃的な感情や興奮を呼び起こし、血圧を上昇させる可能性もあります。

ハッピー & エネルギッシュになれる黄とオレンジ

黄は世界で最もハッピーな色として知られています。やる気が出ず、ポジティブなエネルギーが必要なとき、黄は気分を高揚させてくれます。適度なエネルギーや高揚が欲しいときにはオレンジがベストでしょう。色スペクトルで赤と黄の中間に位置するオレンジは、情熱と力強さの赤と、喜びと楽観主義の黄がブレンドされています。

青を着て集中力アップ

青には集中力や生産性を高める効果があります。そのため、新しいムーブメントを覚えたり重量挙げのテクニックを習得するときなど、集中力を高めるのに理想的な色と言えます。また、心を落ちつかせたり、ストレスや不安を和らげる効果もあるので、ヨガのようなエクササイズに最適です。紫は精神性や直感力、深い思考と結びついているため、ヨガとの相性が良好です。

自由を感じ、活動的になりたいのなら緑を

緑には不思議な力があります。緑を身につけると、自然とのつながりが感じられます。アウトドアにいるときのようなリラックス効果や爽快感もあるので、あらゆるタイプのエクササイズに適しています。特に競技スポーツをする人には、エネルギーを保ちながら不安を和らげる緑がお勧めです。

ニュートラルカラーでリラックス

ウェルネスとワークアウトを両立したいのなら、ピンクやパステルカラー、ニュートラルカラーを身につけると良いでしょう。これらの色には筋肉をリラックスさせる効果があり、緊張や攻撃性を和らげてくれます。しかしながら、もしベージュ一色にしてしまうと、明るい色の長所であるやる気を起こさせる魔法が効かなくなるかもしれないので注意しましょう。

黒が最強な場合もあり

ワークアウトウェアの色で、黒が最も人気があると言われる理由はいくつかあります。まずは、クラシックで流行に左右されない。次に、他のどの色ともマッチする。そして、汗や汚れを隠すのに最適。さらに、黒は力強さやパワーを連想させるため、トレーニング中に気分を高めるに適しているのです。