60秒のまとめ:
- コアにフォーカスしたグループワークアウトで、5kmランの平均タイムを1分以上短縮させることが可能で、怪我を予防することで全体的なパフォーマンスを向上させる。
- 長期的な結果を最大化させるには、ランナーは統合的アプローチをとり、体幹トレーニングなど、クラブで提供されているプログラムを利用するべき。
- アメリカだけを見ても、ランナーはフィットネスクラブ会員数6900万人とほぼ同等の数が存在している。
- フィットネスクラブ市場において、ブティック型施設が流行し、それにも伴いトレッドミルマシンでのランニングが2019年に最も流行したフィットネストレンドの1つとなった。
クラブでランニングパフォーマンス向上を目指しているメンバーがいたら、CXWORXへの参加を促しましょう。平均タイムを短縮し、運動能力の機能向上も期待することができます。
The Journal of Sports Medicine and Physical Fitnessという学術誌に刊行されたによると、コアにフォーカスしたグループワークアウトで5kmランの平均タイムを1分以上短縮させることが可能。また、怪我を予防することで全体的なパフォーマンスを向上させることが明らかになりました。専門家によると、長期的な結果を最大化させるには、ランナーは統合的アプローチをとり、体幹トレーニングなど、クラブで提供されているプログラムを利用するべきだと説明されています。
被験者はレズミルズのCXWORXワークアウトを1週間に3回、6週間継続的に行いました。30分のワークアウトには、3次元で体幹を鍛えるエクササイズが多く組み込まれており、クラスには必ずプランク、下腹部の持久力を鍛えるエクササイズ、臀筋トレーニング、斜腹筋トレーニング、伸筋トレーニングが含まれます。これらの統合的エクササイズは、クランチなど決まった体幹の筋肉だけにフォーカスしたアイソレーション種目ではなく、肩から膝までにある大きな筋肉群にも同時に働きかけることができます。
6週間のモニタリング後、被験者のランニングスピードは伸び、ランニングエコノミー(無駄なエネルギーを使わず、効率的に走る能力)も改善したという結果が出ました。5kmのタイムは心拍数に著しい変化が無いまま、平均で66秒が短縮されプランクをキープする能力は60%以上向上しました。
ペンシルベニア州立大学で助教授をしながらレズミルズランニング&コア研究で主任研究員を務めるジンジャー・ゴッシャル博士は、腰、下背部、殿筋、腹筋など大きな筋肉群をターゲットにした統合的コアエクササイズを行うことでランナーのパフォーマンス向上が見込めることが証明されたと説明しています。
自身もランニングを愛するゴッシャル博士は「このリサーチはランニングトレーニングにおいて体幹を3次元で鍛えることの重要性を確立しました。」と話します。「持久力のあるアスリートは「多ければ多いほどよい」というモットーのもと、単純に長い距離を走ります。今回の研究によって、統合的コアトレーニングはパフォーマンスと対称性を向上させることのできる要素だったことを示してくれました。」
ランニングは3次元のアクティビティである、とゴッシャル博士は続けます。脚が前に進みながら、腕と胴体が別の平面で動くのには力の生産とランニングエコノミーにおいて大切です。
「統合的コアエクササイズはフルマラソンを走るランナーから、体のために週に数回走るランナーまで、全てのランナーにとって価値があります。それだけでなく、サイクリストや水泳選手など持久力が重要なアスリートにメリットをもたらします。」
レースの流行
5km、10km、障害物コースなどのイベントのブームと、それに伴う参加者の増加に支えられ、世界的にランニング業界は大きな成長を遂げています。アメリカだけを見てもランナーはフィットネスクラブ会員数6900万人とほぼ同等の数が存在していると言われています。
ナイキランニングクラブなどの多くの有名スポーツブランドがコミュニティを成長させることでランニングブームを牽引し、New Balance、Stravaが開催する、走った距離に応じて無料のドリンクと引き換えができるポップアップパブなどのコミュニティを作ることで、この流行を率いています。フィットネスクラブ市場では、これまで「ジムで一番つまらないマシーン」にブティック型ジムが息を吹き込み、トレッドミルを使ってのランニングが2019年最も流行したフィットネストレンドの1つになりました。
プレミアムフィットネスオペレーターのEquinoxはトレッドミルを基にしたワークアウトに対して増える需要に応え、ニューヨークに独立型のスタジオを導入させ、今後すぐにでもロサンゼルスにスタジオをオープンさせる予定です。その一方でも、バリーズ・ブートキャンプやオレンジセオリーなど、トレッドミルを使ったフィットネスは世界的に拡大を続けています。
このような傾向を活用しようとしているクラブにとって、今回の研究は体幹にフォーカスしたグループワークアウトの怪我予防という利点がパフォーマンス向上と合わせてランナーにとって魅力的であることが示唆されています。
走り続ける
5人に1人のランナーはトレーニングのしすぎでスタートラインに立つこともできないと言われており、アキレス腱障害、足底腱膜炎、中足骨の疲労骨折は多くのランナーを苦しめています。
被験者の中で、一番大きく対称性の改善が見られた関節部位は足首であり、平面でのランニングだけなく、上り坂でも著しい違いが見られました。より具体的には、トレッドミルを平面(傾斜無し)で走っている時の足首可動域の非対称性は46%減少し、3%の傾斜では36%、6%の傾斜では33%減少しました。
「研究結果によって、統合的エクササイズは怪我を防ぐ関節対称性、膝アライメントのための腰深層筋トレーニング、効率的な力伝達を支える腹筋トレーニングとして非常に効果的であることが分かりました。」
「これまでランニングパフォーマンスの向上のために研究されてきたアイソレーション種目のアプローチと違い、今回は3次元の統合的エクササイズを独占的に研究しています。ランニングスピードとランニングエコノミーの向上はCXWORXに出てくるユニークな統合的エクササイズの数々によって期待することができます。」
「多くの怪我は、衝撃の減少と体幹のアクチベーション、または脚の対称性向上によって最小限にとどめることが可能と考えられます。」とゴッシャル博士は説明しています。
研究について
被験者である健康な成人12人(女性8人、男性4人)は週に3回、毎回少なくとも3マイルを走っており、アクティブな生活を送っていましたが、ストレングストレーニングはしていませんでした。
6人の被験者(女性4人、男性2人)は6週間、週に3回、毎回30分の統合的なファンクショナルコアトレーニングを行いました。
残りの6人はこれまでと変わらない、ランニングの習慣を続けます。
ストライドの対称性を分析するために関節の可動域を測ったデータ、エコノミートレッドミルテストの最中には心拍数のデータ、またパフォーマンスを評価するための5kmラン中の心拍数データも収集されました。
ストライドの対称性が向上されているかどうかを測るには、トレッドミルの傾斜3種類を使い、被験者全員分のステップを数千のデータ要素において分析することが求められます。
GPSと心拍数の記録にはポラール400を胸に着用し、このデータの記録は、6週間の間にレズミルズCXWORXを18回受ける前後に採集されました。また、この間もランニングの習慣は続けてもらいました。
*レルジャック A、マーシャルRN、ヒュームPA. ランナーの下肢酷使による怪我の可能性評価。Med Sci Sports Exer, 2000:32;1635-1641
The Journal of Sports Medicine and Physical Fitnessで出版された論文はこちらから読むことができます。