この記事を読めば次のことが分かります。
● 運動で心の健康を保つための的確な方法
● 筋力トレーニングと有酸素運動の組み合わせがベストな理由
● 30~45分の運動を週に3~5回が理想的
● 心の健康を守るための運動がこれまで以上に重要な理由
そう、運動は心の健康に大きな影響を与えるのです!
精神面・感情面の状態改善、ストレス軽減、気分の改善、生活の質の向上、抑うつ症状や不安の軽減・・・これらは運動から得られる効果のほんの一部に過ぎません。
運動が心の健康に役立つことを示す科学的研究は驚くほど豊富です。実際、1990年から2020年の間に発表されたこのテーマに関連する査読付き研究の89%が、運動とメンタルヘルスの間に統計的に有意な関係があると結論づけています。
運動は、脳の神経伝達物質の増加やホルモン機能の改善といった生物学的側面と社会性や自己効力感の側面を通して心の健康状態の改善に役立つようです。運動は精神疾患のリスクを減らす役割を果たすだけでなく、長期的な心の健康にも役立ちます。
理想的な運動
一般に、低強度の運動よりも高強度の運動の方が効果的であると研究には示されています。特に有酸素運動はうつ病の軽減に強い関連があり、不安障害に関連する症状にも中程度ですが確実な効果があります。最適な運動計画は、筋力トレーニングと有酸素運動を交互に行うことです。この組み合わせは、どちらか一方だけよりもメンタルヘルス改善に強い効果をもたらすことが示されています。
低強度の運動がお好みなら、ヨガや太極拳のようなマインドフルネス系の運動は、不安やうつの症状を軽減する効果がウォーキングよりも高い可能性があることを知っておいてください。また、可能な限り社交的に運動しましょう。チームスポーツ、サイクリング、有酸素運動やジムでのエクササイズをする人は、1ヶ月に「心の状態が悪い」と感じる日が20%少ないという研究結果が出ています。
理想的な運動量と頻度
週に3回から5回程度の運動を行う方が、週に1回だけよりもより有意に抑うつ症状を軽減できるのは当然のことです。しかし、運動量が多ければ多いほど良いというわけではありません。運動回数が週3回未満の人と週5回以上の人の両方で、精神的健康度が低いことを示すU字型の曲線が確認されているのです。
最適な運動量は?週に3回から5回、30分から45分程度の運動が理想的と言われています。しかし専門家によるとはっきりと定まった方法は存在せず、データに基づいたより確かな情報を提供するためには、運動の頻度、強度、種類、時間に関するさらなる研究が必要であるということです。
精神的な健康を改善するために運動に焦点を当てることは、何も新しいことではありません。 紀元前500年にはすでに仏陀が、「身体を健康に保つことは義務である...さもなければ、心を強く、明瞭に保つことはできないだろう」と述べたと記録されています。
心の健康を守るための行動の必要性は、かつてないほど高まっています。世界保健機関(WHO)によると、世界中で2億6,400万人がうつ病に苦しんでおり、身体障害の主な原因の一つになっています。米国では成人の18パーセントが精神疾患を抱えています。そして、新型コロナはこの問題をエスカレートさせています。米国心理学会の調査「2022年3月版March 2022 Stress in America」によると、新型コロナは人々の精神的健康に大きな打撃を与え、58%の米国人がパンデミックの結果として毎日ストレスを感じていると報告しています。
精神障害に苦しむ人は、人生が10年短くなる可能性があります。2015年のメタ分析では、精神障害に苦しむ人が失った寿命の中央値は10年であると示されました。同じ分析によると、死亡要因の14.3パーセントが精神障害に起因するとされており、これは年間約800万人に相当します。
この記事は、運動とメンタルヘルスの関連性についての30年分の科学的証拠の概要「Move Your Mental Health Report」に基づいています。この報告書は、1444の論文から得られたテーマと知見を全体的に考察もので、運動で心の健康を守るための科学的裏付けに基づいたアプローチを支援する目的で作成されたものです。
心の健康をサポートするための情報をもっとご覧になりたいですか?こちらに以前ご用意した特集をご紹介します。
ストレスを軽減する科学に裏付けられた6つの方法
ストレスと不安に包まれ、目まぐるしく変化する日常の中で、メンタルウェルネスは必要不可欠と言えるでしょう。 これらの簡単な手順に従って、心、筋肉、気持ちを最高の状態に保ちます。