人気インストラクター7人が実践するセルフケア術

ケイラ-ブレア・フィッツシモンズ-ヌーやマーロン・ウッズが語るワークライフバランスを保つ方法。最適なコンディションをキープするために、人気インストラクターたちは一体どんなことを実践しているのでしょうか?

クラスに参加するたち人生をより健康ものにするためインストラクターは日々膨大な時間や労力費やしています。クラスで指導喜びをもたらす素晴らしいものですが、同時に肉体および精神的大きな負担となり燃え尽き症候群疲労やケガにつながることも。会員のためにベストを尽くすことに集中するあまり自分自身休息と回復を忘れがちになってしまうのです

IMTイニシャルモジュールトレーニングインストラクタークラス参加者ロールモデルとなることの重要性を学びます。これは身体的なことだけでなく、フィットネスと向き合う姿勢、つまり精神的なことも意味しています。例えば、インストラクターが疲れた状態でスタジオに現れたり、またはネガティブなヴァイブスでいたりすると、それはクラス参加者に伝わってしまうものです。Les Millsアンバサダーハウス・シャーレーンは、自分のが発する声に耳を傾けること重要性を訴えます

「疲労感や焦燥感、痛みなどのシグナルに注意を払うことで、パフォーマンスの低下はもちろん、ケガ未然に防ぐことできるのです。フィットネスのプロにとって、ケガ対策は最もフラストレーションの溜まる作業のひとつです。インストラクターにとって己の身体は商売道具であり、しっかりとしたケアは必要不可です。私たちは他人のケアに集中するあまり、往々にして自分自身の健康おろそかにがちです。セルフケアを優先することロールモデルとしての義務なのです。それは身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも気を配るということを意味していますってくれました。

では、どのようにして多忙なインターナショナルプレゼンター自身を再生するための時間を確保しているのでしょうか? クラスへの情熱を保ち、キャリアを長続きさせるための秘訣を聞きました

ナターシャ・ヴィンセント:トレーニングに緩急をける

母親、インストラクター、マスタークラスプレゼンター、さらにLes Mills Auckland Cityのグループフィットネスマネージャーなど、ナターシャ・ヴィンセントは様々な顔を持っています。当然完全なオフはほとんどありません。すべての役割ベストな状態でこなせるよう、彼女はトレーニングのバランスに気を配っています。そして、LES MILLS LIVE Berlinのようなハードなイベントに向けては、入念な準備に時間を割くようにしているです

「以前までは、フィルミングの週になるとのように疲労困憊ていました。レギュラークラスの日々から膨大な量のリハーサルを行う週へと急激変化するからですなので、ベルリンはテクニカルコンサルタントのロブとパーソナルトレーナーのコーリーと協力して、本番に向けて徐々にボリュームを上げていけるよう調整しています。つまり、筋力や体幹、有酸素、モビリティなどのエクササイズ必ず毎週行いつつ少しずつトレーニングを増やしていことで、フィルミング本番を迎える頃には、私の必要な運動量に対応できるようになっているというわけです」。

「週1~2回のペースでトレーニング行っていたところからいきなりBODYCOMBAT™とLES MILLS GRIT™ Cardioのフィルミングに徹底的に注力する突入しました。しかし、2日目ギブアップでした……完全復活にはほど遠い状態でしたし、不慣れな子育てとの両立もあって、リハーサルは身体的にも精神的にもとても大きな負担でした。8年間のフィルミング経験においてあれ以上に辛かったことはありません普段と異なる状態だったにも関わらず高い運動能力を求め、案の定身応えてくれませんでした。そのケガをし、回復するのに数週間かかりましたあれほど心身共に消耗したことはありません」。

グループフィットネスマネージャーでもあるナターシャはクラスやトレーニングのスケジュールを見直し、筋力や体幹のトレーニング、有酸素運動、モビリティのエクササイズなどをバランスよく行うようにとインストラクターにアドバイスしているようです

「インストラクターとして、新たなストレングスクラスやカーディオクラスを取り入れることは簡単ですが、何よりも自分の体を気遣い、ひとつに偏り過ぎないようなルーティンを組むことが重要です。もし代行や新曲リリースイベントなど、いつもより多くクラスをこなしたのならその負担をどのように相殺し通常ルーティンに戻すかを考えましょう。私たちはプロのアスリートより運動量が多くなる傾向にある一方で、リカバリーための時間は少ないとされています。毎日ハイパフォーマンスを続ければ、当然ですが大きな負担になります。今年そのことを学びした。以前は自分のクラスだけをこなしていましたが、今は他の人のクラスにも参加し、よりバランスよくトレーニングすることをけています」。

ディー・ロウェル:まず自分のコップを満た

母親であり、看護師であり、フィットネスインストラクターでもあるディー・ローウェルこれら3つの仕事は、すべて誰か何かを与えるものですそのための十分なエネルギーを蓄えるため、彼女は週1回ペースでとあるセルフケアをするようにしているそうです

「セルフケアの内容は週ごと異なりますが、意識的に自分のコップを満たす時間を作っています。フィットネスインストラクターとして、自分のコップが空ではクラスの参加者シェアすることはできません。私たちインストラクターは多くを他の誰かに捧げ、クラスやメンバーのために存在していると言っても過言ではありませんだからこそ自分自身のエネルギーレベルが枯渇していてはダメなのです」。

「母親として、看護師として、そしてフィットネスインストラクターとして、今の私はエネルギーの大切さを深く理解ています。以前はただ与えるばかりでしたが、今では生活の中で上手くいっていないことを排除できるようになりました。そのため、以前よりも燃え尽き症候群にならないようになりました」。

取り返しがつかなくなる前に、その兆候に気付けるようになりました例えば、なかなかとれない疲れ、すぐイライラする上手く感情コントロールできない、常に何かに追われているように感じる、これよくない兆候と言えるでしょうクラスで教えることが楽しくない、それもひとつです」。

まずは予兆に気が付くことが大切です。次に、その原因を特定すること。日々のルーティンを振り返りつまらないものを見つけ楽しいことに変えられるよう行動を起こしましょう」。

「アドバイスとしては、燃え尽き症候群になる前に自分自身としっかり向き合うことです。時には少しわがままになってもいいと思います。フィットネス業界において、私たちインストラクターは無欲だと思われていますが、もう少し自分のために時間を費やすことで、他の人に還元できるというものです」。

ハウス・シャーレーン:ヨガ

ハウス・シャーレーンは、心身にリラックスできるヨガ好きです。

「ちょっとしたルーティンとして時間があればヨガをするようにしています。何より気持ちが落ち着きますし、疲労やケガを防ぐのに役立ちます。クラスの合間に時間あれば、同僚のヨガクラスに参加したりもします。体的なメリットだけでなく、精神的な健康にもすごく効果的です。インストラクターは身体を酷使する仕事です。それは紛れもない事実ですが、それ以上とは言わないまでも、この仕事精神にも大きな影響を与えます。精神的にいい状態だと、それは身体にもいい影響を及ぼします逆に精神健康でなければ、十分なパフォーマンスを発揮できないのです」。

シンガポール在住のフランス人であるハウスは、常に異なる言語で人々と接することに疲れることがあると言います。

「たまには 『自分の時間 』が必要です。贅沢な時間である必要はありません。私は1日の大半を教えたり、説明したり、メンバーや同僚、友人とおしゃべりして過ごします。疲れている時など特に、母国語ではない英語話すのが大変ですまるで私の脳が『ちょっと待って!』と言うかのように思考停止する瞬間すらあります。なので、身体的にも精神的にも、時には一時停止して充電する必要があるのです。テレビでドキュメンタリーを見たり、ビデオゲームをしたりひとりの時間を作ります」。

身をもって燃え尽き症候群を経験したハウスは、無理をしないように細心の注意を払っているそうです。

「数年前のコロナ、ビザの関係で妻がフランスに帰らなければならなくなり、私はひとりでシンガポールに残りました。パンデミックの最中にシンガポールに引っ越してきたので、まだ知り合いも少なく、そもそも誰かと会うこともままならない時期でした。彼女が帰国したのは8月のことで私も10月に休暇でフランスに戻る予定でしたれまで間、私はノンストップで仕事ばかりしていました。妻のいない時間が早く過ぎるように、とにかく自由時間ですら忙しくしていたかったからです。そうしてい気付かないうちに自分自身を追い込んでいました」。

「フランスに帰国した頃には、すっかり疲労困憊していました。最初の5日間は、動くたびにケガをするんじゃないかと思ったくらい、身体は言うことを聞きませんでした。仕事の多さと時差ボケのせいで心身共にボロボロで、フランスに着いた、私の不調は誰の目にも明らかでした。ありがたいことに、家族や愛する人たちと一緒にいることで立ち直ることができました。物事をゆっくりと考え、自分のペースを保つことで健康な状態に戻ることができたのです。その経験から、今はオーバーワークに気を付け、常に休む時間を確保すること大切理解しています」。

ケイラ-ブレア・フィッツシモンズ-ヌー:境界を設定する

ケイラ-ブレア・フィッツシモンズ-ヌーは、燃え尽き症候群を経験しなかったのは家族や同僚おかげだと言います。

深刻な燃え尽き症候群にならなかったのは幸運でした。ダイアナ(アーチャー・ミルズ)は、仕事が達成可能なであるように、そして適切な休息を取れるように、いつだって私たち配慮してくれています。また、フィジカルメンタル疲れた時のサポート体制も用意してくれています。ちょっとしたことためでも自分の時間を確保するようにしていますし、ダイアナや家族と本音で話すことで自分が正しい方向に進んでいのか確認するようにしています。でも、誰かに指摘されるまで、疲れ切っている自分に気づかないこともありますよね」。

インストラクター、クリエター、マスタークラスプレゼンターとして多忙な日々を過ごすケイラ-ブレアは、身体的な負担が大きと感じたら、それを軽減することを心がけいるそうです

「トレーニングに関しては、自分の体の声に耳を傾け、体調や月経周期の状態に合わせて適切なオプションを選ぶようにしています。疲れている体を酷使しないように、賢くトレーニングすることが大切です」。

ケイラ-ブレアが実践するセルフケアは、自身の境界線を設定すること重要です

多くの時間や労力をメンバーやチームメイト、仕事に費やしているため、自分がどれだけ疲れているのか気かないことがあります。のためにベストを尽くすには、まず自分がベストな状態なくてはいけません。だからこそセルフケアは重要なのです。もし社会との接触に疲れていると感じた時誘いを断ることひとつの選択肢です。私にとってのセルフケアは、ストレッチや逆にまったく運動しないこと、パートナーや家族、親しい友人と過ごすこと、そして自分をかわいくすることです! ネイルや髪をセットしたり、日焼けサロンに行ったりします」。

ブロンテ・テレル:休みをとる

俳優からグループフィットネスマネージャー、マスタークラスプレゼンター、インストラクターまで、多岐にわたって活躍するブロンテ・テレルは、自分の役割以上の仕事をこなすことに慣れています

何度か燃え尽き症候群を経験しました。複数のジムでたくさんのクラスを教えながら、インストラクター以外の仕事や日々の人間関係と向き合いそして自分の人生を生き誰かを喜ばせることが大好きな私すが、頭の中で『ブロンテ、もうやめなさい。もっとペースを落としなさい』という声が聞こえてくることだってありました。それでも、身体的にも精神的にも無理をしてきたのです。ベッドから一歩も出たくないほどどん底に突き落とされたこともあります。身体的にも精神的にも疲弊して、一時は負のスパイラルに陥ったこともありました」。

かつての彼女は休養ることにさえ抵抗があったと言います。

何年にもわたって、燃え尽き症候群を防ぐことは困難でした。私にとって必要なのはギリギリの状態の時に自分のため時間が必要だとくことです。そうすれば、いくつかのクラスに代行を立て、心身を落ち着かせるために数日間休む選択ができるのです

「数ヶ月に一度、週末を利用して北ウェールズ地方に行くようにしています。美しい山々私に平和と静寂落ち着きをもたらしてくれます。以前の私は、休みをとって代行をお願いすることに不安を感じていました。人にどう思われるかという恐怖、メンバーを失望させることへの恐怖、いろいろなことへの恐怖です。でも今は休みをとるこ、心身に最適な状態でいるために必要なことなのだと理解しています」。

「ノー 」と言えるようになったことが、彼女にとって大きな変化をもたらしたと言います。

「カイリー・ゲイツのライフコーチングを宣伝する訳ではありませんが、彼女のコーチングセッションを何度か受けたことがあります。時折疲れ果て、落ち込むことはありますが、燃え尽き症候群になるより辛いことはありません。カイリーがセッションで教えてくれた方法を実践するようになってから、私の人生は大きく変わりました」。

インストラクターへのアドバイスとしてブロンテ決して譲れないものを学ぶこと」と言います

「境界線を決めて、自分のためにならないことに対してノーと言るようになりましょう(手伝いたい気持ちもかりますが、代行クラスを引き受けることが大きな負担になってしまうのであればるべきです)。わがままに聞こえるかもしれませんし、最初は(誰かを喜ばせることが好きな私にとって)とても嫌したがこの変化はとても大きな意味を持っています。正直なところ、週に1回でもクラスを増やすと心身共にネガティブになってしまいそこまでしてやる価値などないことがわかります」。

マギー・チェン:メディテーション

マギー・チェンはメディテーションが好きで、息抜きが必要なはビーチでリラックスするそうです

「セルフケアにおいて決して譲れないことは、十分な睡眠とトレーニングをする時間です。私にとってのセルフケアとは、ひとりで静かな時間を楽しむこと。燃え尽き症候群にならないように、心を落ち着けるためにメディテーションを行います。可能なら、旅行に出かけたりもします。海を眺めながら、自分に何が必要かを考えるのが好きです。音楽を聴いたり、友人とキャンプへ行くのも好きです。将来自分がどうなりたいか、そのために自分の人生で何を調整する必要があるか、それらしっかり考えることが大切なのです」。

マーロン・ウッズ:「少ない方が豊かである」という考え方

多忙な毎日を過ごしているマーロン・ウッズはLes Millsのアンバサダーとしての活動と並行して、カスタマースペシャリストとしても働いています。一度に多くのことを引き受けないようにすることで、複数の役割をこなしています。

「セルフケアという意味で私が自分に言い聞かせている言葉は 『less is more(少ない方が豊かである)』です。多くのことをやろうとすると、いっぱいいっぱいになってしまうからです。以前は自由な時間が多いと不安になりましたが、今はそれを受け入れることができます。ゆっくり実にやることで、自分を大切にできていることを実感できます。私のセルフケアに必要なのは、クラス以外での運動、ヨガ、読書、メディテーション、水泳です。また、トレーニングのピリオダイゼーション(期分け)に計画的休憩を組み込んでいます」。

「2021年から2022年にかけて、私は燃え尽き症候群を経験しました。学位取得、本の執筆、アイアンマンのトレーニング、仕事、自問自答……。これらすべて同時に抱えていました。膨大な『やることリスト』をこなしながら締め切りのあるものと重要なものを優先的にこなました。2022年の7月から8月にかけて、私はようやく息ができるようになったのです」。

他のインストラクターへのアドバイスとして自分なりのセルフケアを見つけること」とマーロンはいます

「自分に合うものを見つけること。YouTubeやInstagram、TikTok絶対的なものとして受け止めてはいけません自身で試行錯誤することが必要なのです。セルフケアは人それぞれであり、自分言い訳をすることではありません。その見極めとバランスを取るのは難しいですが、長期的に見ると必要なことなのです」。