1月。普段ジムに足を運ばない人が「新入り」としてクラブに入会し、「自分の場所が取られた」と常連客がすねる時期です(そう思うのは私だけでしょうか)。インストラクターにとって、クラス参加者数を増やし、今までクラス後列で委縮していた人たちを最前列の「レギュラーメンバーへ格上げ」させる絶好のチャンスです。それではどのように新規会員を増やし、維持できるのでしょうか?
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初めて参加する人にクラスの紹介をしましょう
レギュラークラスを行うとき、顔見知りの人が多いことからその中に初めて参加する人が少なくとも1人いる可能性を忘れてしまいがちです。初めて来る人が安心して参加できるよう、クラスの紹介をして彼らを迎え入れることを心がけましょう。
「私は初めての人向けにいつもクラスの紹介を行います」と米国テキサス州在住のケイティ・カトナーは言います。「「私、初めてなんです!」という人がいなかったとしても、スマートスタートオプションとクラスの簡単な説明を冒頭に行います。私自身もクラスを受け始めた頃は、恥ずかしくて初心者であることをインストラクターに言えなかった思い出があるので、他の人が私と同じ経験をしないよう心がけています。」
「私は初心者に対して、まずは3回プログラムを体験してみて、と伝えます」と米国アリゾナ州のBODYPUMP™インストラクターのクリスティン・ニューマンはいいます。「最初のクラスは新しいムーブや用語ばかりで不安になってしまいますが、2回目にはそれに慣れ、流れをつかむことが出来ると思います。そして3回目にはきっと魅力にハマると思います!これは新しいワインを試すのと同じ感覚だと私は思っています。最初の一口は味覚に刺激を与え、2口目で舌を慣らし、3口目で好きかどうかを判断することが出来ます。」
- セットアップのサポートをしましょう
イクイップメントを使ったクラスを教える場合は、早めにクラスに入ってセットアップのサポートをしてあげましょう。
「昨日新しいBODYPUMPのクラスを行ったのですが、初めてクラスに参加する人のうち1人は遅れてくるだろうと予想していました。」とオーストラリア・ビクトリア州のリビー・ジョイスは言います。「その人のために、軽めのウェイトがついたバーとベンチを1セット準備しておきました。予想は的中し、1人遅れて入ってきましたが、その人は焦ることなく準備することができ、クラスも時間通り開始することが出来ました。クラス後にはまた来るね、と言ってくれました。」
「私は初めて来る人の為にバーを1つ準備しておきます。」と米国オクラホマ州のリサ・マーサー・ジョーンズは言います。「その参加者には次のように伝えます。いつもよりウェイトが軽く感じるかもしれませんが、今日は正しいテクニックにフォーカスしてみましょう。ウェイトは自由に足していただいても構いません。今日はこのままで、次回のクラスで負荷を追加することも可能です。」
- コネクションにフォーカスしましょう
参加者を温かく迎え入れて、特別に感じさせることが出来れば、彼らがクラスに帰ってくる可能性は大いに高くなります。
「初めて参加する人には自己紹介し、クラスに温かく迎え入れましょう。」と米国ミズーリ州在住のリサ・プレン・ケントは提案します。「名前を憶えて名前で呼んであげましょう。近寄りがたい雰囲気をなくしインクルーシブ(包括的)な環境を作ることで、新規メンバーはよりリピーターになりやすいです。」
Les Millsアンバサダーの リーガン・カン は、自身のコネクションスキルが参加者をクラスに呼び戻す理由だと語ります。「僕は、クラスにその参加者1人しかいないという気持ちにさせることにフォーカスします。彼らの名前を覚え、1人1人に話しかけ、コネクションを通してそのクラス、音楽、ワークアウトに没頭させます。僕は彼らに私生活での嫌なことを忘れさせ、今やっていることだけに集中してほしいと思っています。そうすれば、クラスが終わった頃にはとても清々しい気持ちになれるはずだから。」
- エクササイズで即時得られるメリットをシェアしましょう
あなたのクラスに参加する人たちは、様々な動機に駆り立てられているでしょう。それらのゴールは達成するのに時間がかかる可能性がありますが、ワークアウトを最後までやり遂げただけで既にたくさんのメリットがあります(気分の向上、睡眠の改善、ストレス解消、エンドルフィンハイなど)。クールダウンは参加者の努力を称え、即時感じられるメリットを伝えることが出来る絶好の機会です。
例えば、朝のルーティンに中強度の有酸素運動を20分追加するだけで、気分を瞬時に高めることが出来ます。これは、エンドルフィンを素早く刺激することだけでなく、プラスの効果が最大12時間続く可能性があります。運動がどのように消極性を和らげるかを調査している科学者によると、うつ病の軽減や、敵意の感情などの重要な心理的利益を享受するには、週に4回の有酸素運動が必要だと言います。
早朝の有酸素運動が苦手な人でも、エクササイズから得られるものと同様の結果を得ることができます。 23の公開された研究結果を評価した別の研究グループは、あらゆる種類の運動が一貫して幸福に結びつくとし、週にわずか10分の運動でも幸福のレベルの増加につながる可能性があることを発見しました。また、ほとんどの日に少なくとも30分間の運動をした人は、運動をしなかった人よりも「幸せ」であると回答する可能性が30%も高くなりました。
- 相手の立場になって考えてみましょう
長い間(または人生の大半)運動を続けてきた人なら、新しいリリースに関心を示さない人のことを不思議に思うかもしれません。私も以前、参加者からLES MILLS GRIT™クラスに始めて参加する前日は怖くて眠れなかったと告白されたことがあります。その言葉は今でも深く記憶に刻まれています。
初心者に共感することはあなたのクラスの教え方を大きく変化させます。私の妹は数年前、8年間の運動のブランクを経て地元のジムに入会しました。彼女は自分にこう言い聞かせました「あなたはクラスで一番下手くそかもしれないけど、そうじゃないかもしれない。ジムは家から徒歩20秒の距離なのよ。ここで怠けて今日行かなかったらいつ行くの?もう周りに行くと言っちゃったじゃない。行ってみて、合わないなと感じたら辞めればいいのよ。」
「クラス当日、私はスタジオの隅で出来る限り目立たないようにしていたのですが、インストラクターの「初めての人はいますか?」の問いについ手を挙げてしまいました。まさか私だけだとは思わず、みんなからの視線がとても恥ずかしくなりました。」
一部の人にとっては、クラブに足を踏み入れることでさえとても難しく大変なことです。私たちインストラクターが、コリオグラフィーを忘れてしまわないだろうか、またバーピータックの時に十分にジャンプできているだろうか悩む中で、そもそもクラス参加の第一歩を取るために自らを鼓舞している人がいることを忘れないようにしましょう。フィットネス体験を提供する私たちは、様々な理由をもってクラブに訪れるメンバーを温かく歓迎し、彼らの成功を称え、次のクラスへのワクワクを醸成してあげる責任があります。