「痩せなくちゃ」という気持ちから最高のアスリートを目指すようになるまで

BODYSTEP™とLES MILLS TONE™でおなじみのプレゼンターのケイラ–ブレア・フィッツシモンズ–ヌー。彼女の成功への道のりは決して容易ではなかったことが今回の取材でわかりました。

サラ・ショート:

ケイラさんこんにちは。あなたはBODYSTEPのプログラム・ディレクター、マーク・ヌー–スティールさんとレズミルズ・ニュージーランドでライセンシー・リレーションシップ・マネージャーを務めるカーラ・フィッツシモンズさんの娘さん。グループ・フィットネス一家で育つのはどんな感じでしたか?

ケイラ–ブレア・フィッツシモンズ–ヌー:

友達には、私は(オークランドのレズミルズにある)スタジオワンで生まれたのよとよく冗談を言っています。生まれた時からグループ・フィットネスをしてるのって。小さい頃から両親がステージにいるのを観ていて、自分もそうしたいと思っていました。両親のマスタークラスフィルミングの様子を見て、ステージにあがって多くの人々に刺激を与えているなんてなんて素敵なんだろうと思いました。

6年前にGRITの参加者役になれないかと問い合わせたことを覚えていますか?メッセージの中であなたは「私は多分見た目が合わないと思います」と書きましたね。でも今ではBODYPUMPを含む複数のプログラムのマスタークラスに出演しています。この6年間でどんな変化があったか教えてください。

私はずっと両親の仕事をすごいと思っていましたし自分にもできると思っていましたが、最も大きなハードルは自分の体に対するコンプレックスでした。自分は体が大きいことは分かっていて、パフォーマンスができてもチャンスを物にするためには体重をすごく減らさないといけないと感じていました。

ある日ジムで、父、ジャッキー(ミルズ)、ダイアナ(アーチャー・ミルズ)とBODYCOMBAT™クラスを受けていた時、ダイアナが私に「TONE™に出演しない?」と言ったのです。私はとても驚いて「本当?私は理想的な体型とは言えないですけど」と答えたのですが、彼女は動きを止めて私を見て「何を言っているの?あなたは強くて美しいわ」と、TONEにぴったりだと言ってくれました。

そのことをきっかけに私の気持ちに変化がありました。「痩せなくちゃ」という気持ちから、「パフォーマンスを高めるために最高のアスリートになりたい」と思うようになったのです。フィットネス業界で成功するには痩せてないといけないとずっと思い込んでいたのですが、幾度と「痩せる」努力をしても報われたことがありませんでした。痩せた体になれるタイプじゃないのです。そこで最高のアスリートになるという新たな目標を掲げました。自分のためのヒーローになり、自分を励まして、自分と自分の人生に誇りを持つためです。

撮影のたびに撮った写真を見返して、前向きな気持ちを維持できるように自分に言い聞かせていますが、時に「あなたは痩せてないから他の出演者と並ぶ資格がない」という悪魔の囁きも聞こえます。そういう時には、立ち止まって、感謝の気持ちをもち、自分を励まして前進することを心がけています。

初めてマスタークラスに出演した時、インスタグラムで、色々な体型の人が出ていて素晴らしい、あなたは素晴らしいインストラクターだというメッセージをいくつかいただきました。初めは「色々な体型」という言葉が気になって「ぽっちゃり女子の代表になりたくない」と思いました。でもしばらくするとポジティブに受け止められるようになりました。様々な体型を表現できる喜びと同時に、私が参加者の励ましになっていること、そして素晴らしいインストラクターだと思ってもらえているとことを嬉しく思いました。

そのハードルを超えることができてようやくゴールに近づけて、とても誇りに思えるようになりました。まだまだ発展途上ですが物事を前向きに捉え、これまでの成果を喜べるよう努力を続けています。

色々大変だったのですね。お父様はどんな風にサポートしてくれているのですか?

両親は2人ともとても応援してくれます。父と一緒に仕事ができるのは最高です。

私たちは毎日一緒にトレーニングし、お互い励まし合っています。父の哲学は、「賢くトレーニング」することです。「足りない、あと10%がんばれ」というのではなく「体に必要なだけ」という考えを持っています。フィルミングに参加する時に、父は(前向きな意味で)最後のフィルミングだと思うようにして、次の機会があると思い込まないようにしていると教えてくれました。この言葉は私にとても響き、仕事をする上で最高の自分を表現すること、関わっているすべてのプロジェクトそして関係者全員に感謝することを心がけています。

父は、演じ方のイロハを教えてくれて、音楽編集、音楽の選び方、振り付けなどフィルミングの裏側も教えてくれました。

両親との素晴らしい関係に感謝しています。私たちのクラスに参加している人はご存知だと思いますが、父が最終的に靴を脱いで私に投げてくるというちょっと小競り合いをすることもありますが・・・(笑)

撮影のたびに撮った写真を見返して、前向きな気持ちを維持できるように自分に言い聞かせていますが、時に「あなたは痩せてないから他の出演者と並ぶ資格がない」という悪魔の囁きも聞こえます。そういう時には、立ち止まって、感謝の気持ちをもち、自分を励まして前進することを心がけています。

インストラクター以外の生活について教えていただけますか?

レスミルズ・オークランドでパーソナルトレーナーをしています。パーソナルトレーナーはみないい人たちに参加してもらっていると褒めますが、本当にそうなんです。私は素晴らしい人々に恵まれています。

パーソナルトレーナーは時間の融通が利くので良いです。自分でスケジュールを決めることができ、(障害のある)妹の世話をすることもできます。起業して最も難しいと思った点は、税金の処理でした。パーソナルトレーニングを始めた頃、両親はいつも一定額を税金用に取っておくようにと言いました。お金持ちだと思い、税金のことは全く考えていなかった私ですが、両親に紹介してもらった会計士と話した時に初めて、自分は決してお金持ちじゃないことに気づいたのです。(笑)

父はワークライフバランスを教えてくれました。仕事には一生懸命ですが、時間と努力を何に費やすのか優先順位の付け方も上手です。クリエイティブな気持ちになっている時だけ製作をし、そういう気分ではない時は無理にやろうとしません。あまり自分に厳しくしすぎないということを父から学びました。今何かがうまくいかないなら、一旦別のことに時間を注ぎ、後でまたやってみるようにしています。

障害のある妹さんがいらっしゃるということですが、お二人はどのような姉妹ですか?

発達障害と同時に、妹は定期的に発作に襲われるのですが、ありがたいことに年月と共に改善してきています。

両親がサポートが必要な時、私がいます。妹が発作に襲われたときは全てを後回しにして駆けつけます。スケジュールは自分で管理していますし、お客様も状況を理解してくれているので。妹のケアには、みんなの助け合いが必要です。家族こそ私の最優先事項です。

障害にもかかわらず、妹は本当に可愛くてとってもハッピーな女の子です。これを読んでる人の中に「かわいそうに」と思う人もいるかもしれませんが、暗いことばかりではないのです。もちろん時には辛いですが、妹は家族にたくさんの愛と喜びをもたらしてくれます。妹との姉妹であることは、私が人生で最も誇りを持っていることです。

フィットネスのプロとして、モチベーションが上がらない初心者にアドバイスはありますか?

これはインストラクターとして学んだことですが、モチベーションにはいくつも種類があり、人によって異なります。体重を落としてシェイプアップしたいという美的目標にやる気を感じる人もいれば、エンドルフィンが出たり感情的に有益だったりという気持ちの面を重視する人、そしてそういうことは全く気にせず、ただ社交的な意味で他の人たちと一緒に運動するのが好きだという人もいます。

私のアドバイスは、あなたにとって一番良い方法を見つけてください。自分が満たされる方法、体を動かしたくなる方法を見つけてください。

初心者が諦めて辞めてしまいたいと思う時どうしたらそれでも続けられるでしょうか?

ワークアウトをしていて楽しめない時、今はやりたくないという気持ちの時はちょっと休憩しても良いのです。後でまたやってみる、あるいは「よし、今日は30分やったから今はそれで十分」と早く切り上げてもいいでしょう。自分の体と心が必要としているものを与えてあげましょう。

フィットネス自体を辞めてしまいたいと思った時には、なぜ始めたのかを振り返ってみるといいです。医者に健康のために勧められた、子どもたちと一緒に運動したかった、心の健康のためだったなどの「なぜ」を思い出してください。フィットネスの素晴らしいところは選択肢がたくさんあるところです。一つが上手くいかなくても、他のやり方を試してみれば良いのです。

パーソナルトレーナーとして仕事をする中で、動ける体ではないと思うお客様もいると思いますが、何かアドバイスはありますか?

ジムに通い始めたばかりの初心者によくあることなのですが、始めること自体を怖がってしまうのです。誰にでも初めてはあるのです。まず始めること、これが最初のステップで、始められたことが大きな成果です。できるだけプロセスを楽しんで、目標にこだわりすぎないことです。

あとは、始めたことに誇りを持って、自分を周囲と比べないことです。本能的に比べてしまうものですが、フィットネスを始めたばかりで人と比較するのは危険なことです。

ポジティブな面、それがどんなに小さくても、日々のフィットネスと気持ちの達成感に気持ちを向けましょう。ベッドから起きて、20分でも、たった5分でもエクササイズしたなら、それを誇りに思うことです。ベッドから起き上がるだけでも称賛に値する日だってあるのです。

始めたということ自体がとっても素晴らしいことなのです。

Kaylah-Blayr Fitzsimons-Nu'u は、BODYPUMP、BODYSTEPとLES MILLS TONEのインストラクターであり、LES MILLS GRIT、CEREMONYとCONQUERのコーチも務めている。彼女はオークランドに暮らし、レズミルズ・オークランドシティでパーソナルトレーナーも務めている。