体幹に焦点を当てたグループエクササイズを定期的に行うことで、座りっぱなしの現代人の生活習慣によって急増する腰痛を抑えることができるかもしれません。
International Journal of Kinesiology & Sports Scienceに掲載された新しい研究によると、体幹にターゲットを絞ったトレーニングが、体幹の動的安定性を高めることで腰痛に対処する、重要な手段となることを明らかにしました。
腰痛（LBP）の既往歴がある参加者を2つのグループに分けて、8週間の研究を行いました。グループAは運動をせず、グループBは2週間に1度、体幹の強さ、安定性、持久力を高めるために考案された科学的なワークアウトLES MILLS CORETMのレッスンに参加しました。
研究チームは、運動前後の表面筋電図を記録して筋活動を測定し、体幹の筋活動パターン、筋力、背部伸筋の持久力（腰の筋肉が疲労するまでの時間を示す重要な指標）を分析しました。
エクササイズを行ったグループBでは、プランク持久力が45％、伸筋持久力が35％、腹筋力が14％向上し、顕著な効果がみられたのに対し、エクササイズを行なっていないグループAでは大きな改善はみられませんでした。
「この結果は、比較的短時間の運動介入で筋力の著しい向上が得られることを示唆しています。」とカナダのフレーザーバレー大学のジリアン・ハットフィールド准教授は述べています。
「腰痛を持病にもつ人が、体幹トレーニングで大きな効果を得たという事実は重要です。なぜなら、腰痛を経験した人は鎮痛剤を処方されることが多く、『安静にしなさい』と言われますが、実際は潤滑油となるのです。」
「座りっぱなしの時間を減らすことで、腰の筋肉の持久力が向上し、血流と可動性が高まることで痛みやコリの軽減につながります。」
専門家によると、一生のうち65～85％の人が腰痛に悩まされ、早期離職や経済的負担が腰痛の蔓延に寄与していると言われています。米国だけでも、腰痛による医療費と生産性の低下により、毎年5,600億ドルから6,350億ドルの社会的損失をもたらしていると推定されています。
Les Mills社のリサーチ部門責任者であるブライス・ヘイスティングス氏によると、腰痛の増加は、現代の座りがちなライフスタイル、特に長時間座り続けることに起因していることが多いそうです。
「私たちの多くは、一日の仕事の大半を座って過ごし、帰宅してからも座って過ごします。推奨される量の運動を行っている人でも、多くの時間を座りっぱなしで過ごすことがあります。」
「座りっぱなしだと、姿勢を保つ筋肉が衰え、体を支える力が弱くなりがちです。長い間猫背の姿勢でいると背中の筋肉が伸びてしまい、必要な時に筋肉が動かなくなり、ケガや痛みにつながることがあります。」
「コアクラスで活性化される筋肉は、この予防に重要な役割を果たします。LES MILLS COREは、腰痛の既往歴がある人でも腹部の筋力と持久力、背中の伸筋の持久力を高めることができ、安全で利用しやすく、効果的な運動介入法であることが研究により明らかにされています。」
ブライス・ヘイスティングスが教える腰痛を軽減するコツ：
1. 姿勢を守りましょう
予防に勝るものはありません、姿勢を守りましょう。長時間座っていると猫背になりやすいので、腰が反らないように座り、こまめに椅子から離れるようにしましょう。
2. 伸展運動をしましょう
座ったり前屈みになると腰痛を感じる場合、椎間板の圧力のバランスをとるために、伸展運動を試してみましょう。うつ伏せになり、両腕で軽くプッシュアップしながら胸を押し上げ、脚と恥骨は床につけたままの状態にします。2～3秒キープして、またうつ伏せに戻る。これを10回ほど繰り返します。
3. 基本原則
体幹にフォーカスしたエクササイズで背中を安定させましょう。スクワットやデッドリフト（自重のみでも可）は、安定性を高めるために最適な運動です。腰を反らないように意識して行いましょう。腰痛持ちの方は、新しいトレーニングを始める前に必ず医師に相談してください。
4. 立ち上がりましょう
仕事で一日中座りっぱなしなのに、ジムで運動するときも座りっぱなしという人が多いことに、私はよく驚かされます。サイクリングやボート漕ぎなどのエクササイズは優れた有酸素運動ですが、姿勢のメカニズムを整えるために、総合的な運動（スクワット、デッドリフト、ホバーなど）も取り入れるようにしてください。
5. 科学に従おう
これらの研究成果を基に行動に移し、LES MILLS COREを試してみてください。この科学的根拠に基づいたワークアウトは、すべての動きにオプションがあるため、あらゆるフィットネスレベルの人でもその効果を得ることができ、グループで楽しむことができでしょう。
