プッシュアップの魅力

専門家によると、膝をつくにせよ、足を伸ばすにせよ、腕立て伏せにはマスターする価値があります。

目次:

  • 膝つき腕立て伏せでも足を伸ばした腕立て伏せと同様に胸、肩、腕、そして体幹の筋肉を鍛えることができる
  • 腕立て伏せ vs ベンチプレス
  • 膝つきの腕立て伏せから足を伸ばした腕立て伏せに移行するには
  • 腕立て伏せの極意

プログラムディレクターのグレン・オスターガード(BODYPUMP™、LES MILLS SPRINT™、RPM™)は、「腕立て伏せは上半身のスクワットです。基礎的な運動であり、一度にたくさんの筋肉を使うのでとても気に入っています。スクワットで大臀筋を使うように、腕立て伏せでは広背筋を使います。また、胸部と三角筋前部も鍛えられますが、背中上部、体幹、上腕三頭筋にも非常に効果的です。だからこそ最近のBODYPUMPでは腕立て伏せを増やしているのです」と言います。

実際、2019年の研究によると、腕立て伏せは健康とフィットネスを測るのに最適の尺度で、40回腕立て伏せができるかどうかは、男性の心血管系の健康と長寿に関する唯一最良の指標であると言います。

一般的な腕立て伏せが盛んに勧められる一方で、膝をついて行う腕立て伏せは必ずしも同じように評価されていません。実際、この改良型腕立て伏せはあまり評判が良くなくて「力がつかない非効率的な運動」というレッテルを貼られてしまうことも多いようです。しかし、Journal of Applied Biomechanics(応用生体力学ジャーナル)に掲載された研究では、一般的な腕立て伏せと膝つきの腕立て伏せの両方に価値があるという結果が出ています。

「足を伸ばした腕立て伏せができないからといって、腕立て伏せをトレーニングから除外しないでください。膝つき腕立て伏せでも、足を伸ばした腕立て伏せと同様に胸、肩、腕、そして体幹の筋肉を鍛えることができます」

「腕立て伏せをする時に膝をついてもつかなくても、上半身の筋肉が活性化する割合は実際同じであることを実証できました」と、主任研究員のジンジャー・ゴットシャル博士は言います。つまり、膝つきの方が負荷が小さいだけで、鍛えている筋肉は同じだということです。

これは、つま先立ちの腕立て伏せを安全に、あるいは可動域いっぱいにうまく行うことができない参加者にとっては嬉しいニュースです。

「足を伸ばした腕立て伏せができないからといって、腕立て伏せをトレーニングから除外しないでください。膝つき腕立て伏せでも、足を伸ばした腕立て伏せと同様に胸、肩、腕、そして体幹の筋肉を鍛えることができます」とゴットシャル氏は言います。

研究について

同研究では、週2回の筋力トレーニングを行った健康な男性12名を対象に、両膝と両つま先で支える腕立て伏せを行いながら筋電図(EMG)信号を用いて計測を行いました。EMGは、皮膚に取り付けた表面電極を用いて筋肉の電気的活動を記録するものです。研究参加者は、サイクリングマシンで5分間のウォームアップを行った後、膝とつま先を使った腕立て伏せとベンチプレスを行いました。

プッシュアップの良さとは?

腕立て伏せは単なる上半身の運動ではありません。大胸筋、三角筋、上腕三頭筋を鍛え、体幹の筋肉を強化します。上半身を引き締めるだけでなく、筋持久力を高め、引き締まった筋肉を作り、総合的なフィットネスと健康状態を向上させます。

腕立て伏せ VS ベンチプレス

この研究では、腕立て伏せと、胸部のトレーニングとして人気のあるベンチプレスの比較も行なわれました。平行棒を使ったベンチプレスと腕立て伏せを比較すると、腕立て伏せの方が51%も腹筋が活性化することが分かりました。これは、腕立て伏せが優れたファンクショナルトレーニングであることを示しています。

足を伸ばして行う腕立て伏せは上半身と体幹の筋肉をより多く活性化し、全身を使う運動になるため、最も効果的であることに異論はないでしょう。しかし、足を伸ばして行う腕立て伏せはかなり難易度が高く、特に高齢者や運動初心者は、そのような腕立て伏せを安全に複数回こなすことはなかなかできません。腰と首の位置がずれてしまうことが多く、その結果、怪我のリスクが高くなるのです。「足を伸ばした姿勢で地面に体を近づけることに苦戦している人もあきらめることはありません。膝をついて行う腕立て伏せも効果的な運動なのです」とゴットシャル氏は言います。

膝つきの腕立て伏せから足を伸ばした腕立て伏せに移行するには

膝つきの腕立て伏せを十分に行えば、すぐに足を伸ばしてもできるようになります。ゴットシャル氏によると、膝立ちと足を伸ばした腕立て伏せで活性化する筋肉は同じなので、膝つきの腕立て伏せを疲労するまで継続的に行えば筋肉が強くなり、足を伸ばした腕立て伏せもできるようになるそうです。

レズミルズの調査責任者兼技術アドバイザーであるブライス・ヘイスティングスもゴットシャル氏に賛成しており、膝をついて16回腕立て伏せができるようになると、今度は足を伸ばした腕立て伏せに挑戦できると言います。

「膝つき腕立て伏せを16回できるようになったら、次は足を伸ばした腕立て伏せに挑戦してみてください。必要ならまた膝つきに戻したりしながら、足を伸ばしてできるようになるまで時間をかけて徐々に力をつけていけます」と彼は言います。」

腕立て伏せの極意

腕立て伏せを完璧にこなすには、以下の4つのポイントを忘れずに。

・手は肩幅より広めに構える

・胸を肘の高さまで下げる

・下半身を強く保つ

・体幹をしっかり保ち大臀筋に力を入れる

足を伸ばした腕立て伏せをマスターしたら、あとは上を目指すのみです。1時間で最も多い腕立て伏せのギネス世界記録は、60分で2,298回というデビッド・エスコヒードが持っている記録です。24時間の最多腕立て伏せ記録は現在チャールズ・セルヴィジオが保持しています。彼は、わずか21時間6分で46,001回の腕立て伏せを達成しています。

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