レズミルズでグループフィットネスを教えることは、「枠組みを持った自由」と表現できます。ワークアウトは準備されているのでクラスをデザインするストレスは一切なく、提供の仕方だけに集中できます。
しかし、ストレスは、経験豊富な人気インストラクター陣がひしめくタイムスケジュールの中に自分の場所を確保しようと試みるときに初めてやってくるとも言えます。同じ音楽と振り付けという条件の中、自分のクラスは別のインストラクターに負けず劣らず凄いと証明するにはどうしたらいいのでしょうか?
多くのインストラクターがキャリアの中で経験したことがあるのではないでしょうか。周りからのフィードバックの回収にばかり時間を費やして、今までの自分の成果を忘れてしまうという経験です。フィードバックを求め続けて同じところをぐるぐる回って、どこにもたどり着けないで減速してしまう。フィードバックの一つひとつにこだわって改善しようとしても、次の参加者は今までの成果には気づかず、また別のことを求めます。
(「going nowhere fast (直訳=速くどこにも行かない。足踏み状態であること)」というのはよく使われる比喩ですが、いざ書いてみると、それは少しも意味をなしません。どこにも行かないということは、速く移動はしないですよね?)
とにかく私が言いたいのは、もしあなたの名前がクラススケジュールに載って参加率の高いクラスを教えたいのなら、私が数年の経験で蓄積したいくつかのコツをご紹介できるということです。
健全なクラスは、誰かのコピーではなく個性で溢れていることが大事!
あなたは誰?
もちろん聞きたいのは、名前と生まれた場所でもなければ、好きな色や異性の好みでもありません。自分が何者なのか、その本質に迫る紹介文を書いてみてください。一段落分でオーケーです。
自分だけでは行き詰まるなら次の人たちに聞いてみましょう。
- 友人3名
- トレーニングしているクラブや職場、その他よく行く場所の受付係
- 子供たち
- 家族
そして、これらの情報を集め、みんなが言ったことを取り入れた紹介文を書きます。なぜその人たちに聞くかというと、理由はこうです。
3人の友達というのは、2人は優しくて良いことばかり言ったとしても、1人は多分正直に答えるからです。笑
クラブの受付係は、気づいていないときにあなたを見ていて、自分なりの印象を作り上げているから。
子供たちは、いつも正直でシンプルだから。
家族は、何十年もの知識を持っているので、あなたのことを包括的に表現できるから。
クラブで教える他のインストラクターの中に、あなたと同じ人はきっといないでしょう。これで、あなたの特別さがわかりましたね。
一番成功しているグループフィットネスインストラクターは、教え始めるときに自分が何者かを知っていますし、教えることで自分らしさを多くの人と分かち合うことができます。確かに彼らも緊張しますし、多くの新しいスキルを学ぶ必要もありますが、自分らしさの感覚が軸になっているのです。
個性を発揮して教えよう
クラスの参加者とつながって個性を発揮するチャンスはたくさんあります。ここでは、簡単な方法を2つ紹介します。
クラスのイントロ:その場にいる人たちが共感できるような話から始めます。参加者があなたを純粋に「先生」として見るなら、あなたは彼らにとってサービス提供者に過ぎません。しかし人間的なレベルで共感できれば経験が生まれます。もしあなたが5キーエレメント(コリオグラフィー、テクニック、コーチング、コネクション、パフォーマンス)を駆使すれば、その経験は楽しく非常に印象的なものになるでしょう。これであなたは忠実なメンバーを手に入れたことになります。
トラックとトラックの間: 「良いインストラクター」は、次のトラックの特徴やコツを教えることによって、次のトラックへの期待感を管理します。これであなたは参加者の敵ではなく友になることができます。なぜこれから起きることを伝える必要があるのでしょうか。ワークアウトがものすごくキツくなり、彼らが「先生なんか嫌い」という顔をしたとき、その憎しみが一瞬で消えるためです。それは、寝たくないと言って睨みつけてきてあなたの心を粉々に砕きながら、数分後には完全に忘れて、あなたに「だいちゅき」と言う幼児のようなものです。あなたは友達であり、憎しみは一瞬だけ、その30秒間のトレーニングの間だけ存在しているのです。
終わった途端、憎しみも消えます。しかし、それはあなたが事前に警告し、乗り越える方法を教えておいたからにほかなりません。友は相手を気遣います。敵はそうしません。この情報の伝え方に、あなたの個性とキャラクターを活かしましょう。言葉の選択、声の調子、身振り手振り、表情など、あなたのほとんどすべてがコミュニケーションの一形態であり、クラスがあなたの人物像を構築する要素になります。注目されていることを忘れずに!
ステージに上がる前に、自分を知ること
個人的に好きだからこそグループワークアウトのインストラクターになるという人がほとんどですが、中には他の理由でグループワークアウトやフィットネスを教えたいと思う人もいることを指摘しておきます。 その理由の一つに、「何者かになれるから」というのがあるかもしれません。
そういう人にアドバイスするとしたら、この世界に入る前に自分を見つけ、本当のあなたとしてで人々の生活に貢献してほしいということです。もし、自分が何者かわからないのであれば、ここに来ても分からないでしょう。最初は大変ですし、自分を信じて前進し続けることが必要になります。
一番成功しているグループフィットネスインストラクターは、教え始めるときに自分が何者かを知っていますし、教えることで自分らしさを多くの人と分かち合うことができます。確かに彼らも緊張しますし、多くの新しいスキルを学ぶ必要もありますが、自分らしさの感覚が基盤になっているのです。
インストラクターが自信なさげだと、すぐにメンバーに伝わります。 そうするとクラスがぎこちなくなり、少し居心地が悪くなります。インストラクターが自分を信じる軸を持っていると、そのエネルギーによってクラスが落ち着くのです。
フィードバックに動揺せず、注目を集めるからといって考え過ぎないこと
誰もが改善すべき点などの意見を持っています。全員の意見を聞いたり、全員を喜ばせたりしようとすると、人を喜ばせるというプールの泥水の中で自分を見失ってしまう危険性があります。
逆に、「何回か研修を受けたから、もう何でもわかっていて学ぶべきことはほとんどない」という考えだと成長が阻害されます。
成長過程においては、中くらいの健全なバランスが必要です。自分は他の人よりずっと優秀だから、クラブは自分をすべてのピーククラスに入れるべきで、それこそがクラブのソリューションだ!と思い込むほどのエゴを持つことなく、常に自分のベストを出して仕事ができる自信を持ちましょう。
クラブとメンバーにとって一番良いのは多様性があることです。自分の皿だけをテーブルに持って行って誰かの椅子を取りあげるのではなく、自分の椅子をテーブルに持って行ってビュッフェに華を添えることを考えましょう。
経験豊富なインストラクター達が必ずしもあなたより優れているわけではありませんが、彼らは次の二つの要素を持っています。
1.経験・知識が豊富
2.実績がある
彼らはあなたと同じようにスタートを切ったのです。同じように多くの勝ち負けを経験したことでしょう。その道のりを少し先に進んだところに居るだけです。
教えるとき、私は仕事に心を注ぎ込みます。私がはまったすべての穴からの脱出方法を他の人と共有するようにしています。人生には厳しい試練がつきものですが、私の仕事は、人々にそこから立ち上がって、人生に再挑戦するやり方を教えることです。
どうやって特別なクラスにするか
私はオークランド・シティのレズミルズで何年も同じ時間帯にBODYCOMBATを教えていますが、初めてクラスを担当した時から来てくれている常連がいます。私のクラスに参加される方は、楽しくてキツめのワークアウトを期待していると思います。自宅で行うよりもハードな運動をして(これは私にも言えることですが 笑)、帰った後は身体も精神も良い気分になるでしょう。
数日前の土曜日、私のクラスに参加し始めたばかりのメンバーの一人と一緒に信号待ちをしていました。すると彼女は、私のクラスの教え方から得られるボーナスについて、私に感謝しました。彼女の主旨はこうでした。「まるで私の心を読んでいるみたい。あなたの励ましの言葉は、まさに私が必要としている言葉なんです。毎週クラス以上のものを提供してくれていて、まるでセラピーを受けているみたいです。あなたのクラスからはワークアウト以上のものを得られるといつも感じています」
教えるとき、私は仕事に心を注ぎ込みます。私がはまったすべての穴からの脱出方法を他の人と共有するようにしています。人生には厳しい試練がつきものですが、私の仕事は、人々にそこから立ち上がって、人生に再挑戦するやり方を教えることです。それに、運動に対するモチベーションを高めるのがとても難しいことも知っています。だから、本当にやりたいと思える楽しいワークアウトを見つけることを通してこそ、健康維持を現実にできるのです。
自分の仕事を大切にすること
毎年、コリオグラファーとして仕事をする中で、ダンと一緒に担当しているワークアウトについてより多くを学んでいます。私の手は常にハンドルを握り、足は地につけています。私はBODYCOMBATというプログラムと、フィットネスのためにBODYCOMBATに頼っている人たちのことを深く考えています。
同じ法則が、インストラクターであるあなたにも適用されます。もしあなたが自分の仕事を大事に思い、メンバーを大事に思い、この大変な業界の嵐を乗り切ろうとするならば、あなたも最高の自分へと成長を遂げるでしょう。
自信を無くしたり、若いインストラクターに時間枠を奪われないかと心配したりしているベテランのインストラクター方には、私はこうアドバイスします。恐怖心から離れ、愛の方に体を寄せることです。コーチングに年齢制限はありません。むしろ逆です。長年の経験によって、あなたは知識の泉になれます。その知識を始めて間もないインストラクターへ共有し、彼らがステージに上がる手助けができるのです。
あなたは自分の世代の代表者です。前向きに活動し、教え続けることで、次世代にとって素晴らしいお手本となります。頑張ってください!
私やダンのクラスにさまざまな年齢層が同居していて嬉しいです。私たちのクラスにはあらゆる世代が安心して参加できるのです。インスピレーションとやる気が湧き、歓迎されていると感じるのです。みんなのための場所があるのです。年寄りだからという理由で辞めなければならないとか、ついてこれないと感じることもありません。そして、何を隠そう、彼らの方こそ私に毎日インスピレーションを与えてくれます。私はダンと一緒に、80歳を過ぎてもワークアウトを楽しんでいたいですね。
自信は信頼から生まれます。まず第一に自分を信頼し、あなたを支えてくれている人たちは皆、あなたの為を想っているということを信じましょう。
信頼があれば、どんなことでも、いつまででもできるようになります。グループフィットネスの世界には、誰にでも居場所があるのです。
レイチ xx