インタビューのビデオも収録しましたので、本文と合わせて是非ご覧ください。
東井:まずは、杏奈さん、プログラムコーチに就任されましたが、今どんな気持ちですか?
萩原杏奈:ワクワクとプレッシャーと入り混じった、あまり過去経験したことのない感情です。SH'BAMはとても素晴らしいプログラムということを実感していますが、日本ではまだまだ導入店舗が少なかったりインストラクター数が少なかったり、認知がまだまだ少ないのでそれをどうやってたくさんの人に広めていけるか、ということを考えると、プレッシャーもあるけどワクワクの方が強いです。
東井:導入からずっとプログラムを牽引する立場として貢献してくれていましたが、杏奈さんが役割を引き継ぐことについて、どんな気持ちですか?
松永三千代:期待しかないです!ここまでこられたのは私だけの力ではないです。今までの良さと杏奈のエッセンスを加えて、より日本にプログラムが広がることを期待しています。
東井:ミチさんはまだSH’BAMのトレーナーは続けられるのですか?
松永:まだ頑張ります!
BODYJAMから生まれたSH'BAM
東井:改めてSH’BAMが日本に導入された時期や、歴史、SH’BAMとはこういうクラスですというのを教えていただけますか?
松永:SH'BAMが導入されて11年が経ちました。実はSH'BAMは最初、BODYJAMのボーナストラックとして紹介されたところから始まったんですよ。当時は「これは一体なんだろう?」とザワついた記憶があります。ダンスプログラムといえばBODYJAMだったので、1曲完結式で、それぞれにスタイルがあるこのボーナストラックがSH'BAMという新しいプログラムだと知った時はとても衝撃的でした。でも同時にそれがプログラムの良さということ、たくさんのダンススタイルやフィールが味わえるという認識でした。ダンスプログラムというと苦手意識が多い方もいるけど、全てが自由で取り組みやすい。気分的にも気楽・気軽に入れるクラスなので、ダンスが苦手って思う方にも一度は体験してほしいプログラムです。
東井: BODYJAMとの違いについて良く質問されると思いますが、それぞれのユニークな点を教えてもらえますか?
萩原:まずBODYJAMは1つのダンスコンビネーションを4曲とか5曲とか複数曲繋げて完成させていくプログラムです。Aという振り付けをやってBという振り付けをやって、今度はAとBを足して…という感じに、振り付けを覚えたりするちょっとした良い緊張感だったり集中力も持ちながらクラスを行い、最終的にコンビネーションが全部完成して、すごいパワーのある音楽とバチっとハマった時というのがものすごい魅力的で、それが参加者を虜にする特徴の一つです。
SH'BAMは1曲完結型で、それぞれの曲でいろんなフィールがあって、舞台がスペインだったり、ロックコンサートだったり、ミュージカルだったり…という風にいろんな舞台があるので、それぞれのストーリーを楽しみながら、ダンスというツールを使って体を動かしていくという内容です。SH'BAMのコンセプトは「友人とのダンスパーティー」なんです。
結構間違って覚えられているのが、BODYJAMは中級編ダンス、SH'BAMは初級編ダンス、といった感じの捉え方をされている方も、もしかしたらいるかもしれませんが、それぞれ違った方向からダンスを楽しんでいく、というのがBODYJAMとSH'BAMの特徴になります。
東井:「友人とのダンスパーティー」、いいですね。私も出かけたいと思います(笑)続いて、お二人それぞれのSH’BAMの好きなところを教えてもらえますか?
松永:純粋に「楽しいな~!」という一言です。いい意味でクラスに対して自分自身の気持ちが楽で、参加者とおしゃべりをしながらできるというのは、今まで自分がやってきたプログラムの中であまり経験がなかったんです。今では、身体を動かす楽しさもそうなんですが、クラス参加者がどんな表情で受けているのか?どんな反応があるのか?そっちの方が楽しみで、それが楽しみでクラスをしています。
萩原:私は、SH'BAMって「自由に動いて良いですよ、あなたがやること全て正解。間違いはありませんよー」ということをクラスでよく言うんですけど。
いきなりクラスでそれを言われても何をやったら良いか逆にわからなかったり、自由ってちょっと困っちゃう、みたいな風に思われる方もいらっしゃると思うんですけど、例えばお家で音楽番組見ながらリズムに乗って食器運ぶときにお尻振ってみたりとか、ハハハ(笑)!友人とカラオケ行って相手が歌ってる歌に合わせてタンバリン叩いたり手拍子したりちょっとノってみたり…そういう風な感覚、音楽があってそれに自然になんとなく体が動いちゃう、みたいな感じの延長がSH'BAMだと思うんですね。そう考えると、カラオケで「こう踊らないとだめですよ」みたいなことってないと思うんです。なのでやりたいようにやっていい、感じたままに動いて良いのがSH'BAMなので、参加者それぞれの方の感覚、感性を全て私たちインストラクターは受け入れますよ、っていう受け入れ態勢も大好きだし、「あなたらしくて良いんだよ」っていうところが大好きです
東井:普段着で普通に外を歩いていて、扉が無い場所でSH'BAMをやっているのを見つけたら、そのままフッと入って一緒に参加できそうな雰囲気が、お話聞いていて、あるなと思いました。
杏奈:最初そういうコンセプトでしたよね。SH'BAM♯1の時にブラジルのストリートダンスパーティーみたいな。道端でいきなりダンスが始まる、みたいなそんなスタイルもあったりしましたよ。
経験より、やる気が大事
東井:SH’BAMはダンスプログラムなので、インストラクターの皆さんがライセンスを取得する上でダンス経験がないことを気にされて躊躇される方もいるように思います。この点はいかがですか?
松永:結論からいうと、「やる気次第です!」「やる気があれば何でもできます!」精神論に聞こえるかもしれないけど、私自身がダンスのバックボーンが無い中で、最初は実はBODYJAMからスタートしました。当時のことは今でもすごく覚えていて、カッコいい!やってみたい!けど・・・。というのがすごくあったんですね。でもやっぱりやってみたい!気持ちの方が強かったので、ダンスならではのアイソレーション練習は途中で大変だな。と思うことがあったけど、自分で時間を作って徐々に動けるようになった楽しさを合わせて感じることができた。なので、ダンス経験ありなし、私なんて・・・って思わずに、みなさんがやりたいという気持ちがあればどんどんチャレンジをしてください!
東井:そうですよね、ダンス経験があるという人もダンスを始めた時は初心者だったわけですから、同じですよね
松永:マイケルジャクソンも初心者だったんです!
テクニックや表現方法
東井:杏奈さんは、BODYJAMとSH’BAM、どちらも教えていますよね?ご自身でクラスをやる上でコーチング方法やテクニックの見せ方など、2つのプログラムの違いを出すために工夫していることはありますか?
萩原:大きく変えていることは3つあります。まず一つ目は簡単で見た目を変えることです。服装とか髪型とか。そうすると自分のスイッチも切り替わるし、参加者の方から見てもこの服装はBODYJAM、この服装はSH’BAMっていう風に切り替えられると思います。
2つ目はダンスの踊り方と言うよりもSH'BAMの方がよりフィール的なもの、感情とか態度というのをダンスで表現することを意識しています。
3つ目にコーチングですね。コーチングはこの3つの中では一番違うところだと思っていて、BODYJAMのコーチングは一言で言うと「ダンススクールの先生」みたいな感じでダンスを参加者がよりうまく踊れる、踊れたって思ってもらえるように、何カウント目に何をするとか、足幅がどうとか、手の位置がどうとかということを少し細かめに伝えていきます。SH'BAMはダンスパーティーなので、あまり細かいことを口うるさく言っても「あー!」となっちゃうので、キャラ設定としてはディズニーランドのクルーみたいな(笑)1曲目はジャングルクルーズでいこう、2曲目はスペースマウンテン、みたいな。その曲の雰囲気・ストーリーを楽しんでもらうために、例えばジャングルクルーズだったら「ワニが来たー」みたいなことを言うと思うんですけど(笑)そういうのを音楽とダンスにマッチする言葉がけをして、よりその曲の雰囲気に入ってもらえるような世界観を作るようにしています。
他のプログラムにない魅力
東井:BODYPUMPなら筋力トレーニングがしたい、引き締めたい、BODYATTACKなら脂肪燃焼と心肺機能の強化、など、それぞれのプログラムの持つ特性、効果とお客様の目的をつなげやすくて、クラブのスタッフの皆さんも説明、オススメしやすいと思いますが、SH’BAMは自由なだけに、その辺りが難しいのではないかと思います。どのようにお客様のニーズとつなげてSH’BAMに参加いただけるようにご案内していますか?
松永:私が普段クラスでお伝えしていたりするのは、まずは「楽しんでスタジオレッスンを受けたい方にはもってこいのプログラムです。SH'BAMのいい所そしてこのプログラムが誕生した理由にもなりますが、このプログラムは社交性・楽しさに特化したプログラムです。ニードスコープを見たことある人はご存じかもしれませんが、社交性や楽しさを感じたい人をターゲットにプログラムの構成、選曲などが決定されています。是非そのプログラムの売りを前面に押し出していただきたいと思います。そうはいっても、ダンスでしょ?!って今聞いていて思ったかもしれませんが、このプログラムはきっちりテクニックを伝授するためのクラスではないんです。みんなで楽しく「ダンスを踊る」というよりは、「身体を動かす」っていう感覚に近いです。なので、身体を楽しく動かしていたら、気づいたら汗がかけちゃった。気づいたらなんか脚に効いているというように、楽しさの後に運動効果がついてくるイメージです。そんなイメージをもってお客様に伝えていただけたら嬉しいですし、楽しく動けて汗がかける。カーディオの効果もあります。人によっては体力がつく、階段の上り下りが楽になるっていう人もあり得るので、有酸素運動としての効果を併せてお伝えいただけるといいと思います。
東井:SH'BAMはコネクションが大切なプログラムということで、今この世界的なコロナの状況で、どうやってその良さを活かせると思いますか?
萩原:今クラスをしてる場合、多くがマスクをされていると思います。マスクだと顔半分隠れちゃって、なかなかマスク無しのコネクションと同じ、もしくはそれ以上のコネクションというのは難しく感じるかもしれないんですけど、やっぱり目と目を見るアイコンタクトというのはマスクしていてもできることです。最近気がついたのはSH'BAMは表情も大事なのでマスクしているからこそ表情を大胆にできる、というところもあって恥ずかしさが普段よりも軽減されてチャレンジできる、そういったところで普段とちょっと違う状況ってところも味方につけて楽しめると思います。
松永:今はライブクラスもそうですし、SH'BAMはオンラインのクラスも楽曲があるので実施が可能です!なので、対面のクラスであったとしても、画面を通してのオンラインクラスであったとしても、SH'BAMのコネクションっていうのは、目を見てできるからこその方法もあるし、画面を通したとしても今コロナ禍でも人とのつながりを持つ、それをSH'BAMのやり方でできるというのは、今の時代だからこそ大切だなって思います。且つそれに参加者を引き込んで、つながりが広がっていけばいいなぁと思います。
SH'BAMインストラクターへ
東井:現在SH’BAMのインストラクターをされている方へクラスの表現方法やマインドなど、アドバイスをお願いします。
萩原:まずマインドとしては、ミチさんもさっきからたくさん言っていただいているように「気楽に」。友達とダンスパーティーだったり、カラオケに行くようなノリで気楽に構えていただいた方がSH'BAMらしさが出るんじゃないかな、と思います。その上で私がクラスをする時に意識していることは、自分がクラスを楽しむのはもちろんなんですけど、参加者がSH'BAMの、例えばSH'BAM45分だったら1曲目から12曲目まであるんですけど、それぞれのトラックのストーリーだったり主人公だったりフィールっていうのを参加者自身が夢中になれるように私たちがサポートしてあげる、そこを目標としています。ただ、K-POPのアイドル「BLACKPINK」になりきって!っていう風にいきなり言ってもなかなかできる人も少ない、「はっ?」って止まってしまう人も多いと思うんです。じゃあそのBLACKPINKってどういう人なのか、どういう曲を歌ってるのかな、どういう仕草したらBLACKPINKっぽくなるのかな、っていうのを私自身がミュージックビデオ見たり、歌詞を調べたり、研究をして、まずは私がクラスでそれをやってみます。それを参加者の方が真似してくれたら、参加者としては一歩踏みこんで勇気を出して殻を破ったということで、そういうシーンを見ると私も嬉しいですし、音楽と振り付けがマッチしたことに参加者自身も気付くので、そうするとSH'BAMとしてより一体感のあるクラスになるんじゃないのかなーと思います。なので研究は欠かさず行います。
東井:やっぱり準備をしっかり行うことで、自信を持ってクラスが出来ますよね。これを見られているSH’BAM以外のインストラクターの皆さんへ、SH’BAMのインストラクターになるべき理由を教えてください。
松永:SH'BAMは常に進化をしています!最新の音楽やダンススタイルを使っています。過去からSH'BAMのことを知っている方は女性的なイメージを持っている人もいるかもしれませんが、今は全然違います!少しでも新しい自分を発見したいという方、そしてコネクション力を高めたい方にお勧めです!他のプログラムにいい影響がでます!いつでもウェルカムなのでお勧めです!!
東井:最後に日々SH’BAMをクラブメンバーへ届けてくれているインストラクターの皆さんへメッセージをお願いします。
萩原:SH’BAMインストラクターのみなさん、いつも本当にSH'BAMの楽しいクラスを参加者の方と一緒に実施いただいてありがとうございます。今はコロナ禍でなかなか直接お会いしてワークショップしたり、がなかなか難しいんですけど、SH'BAMのインストラクターの皆さんは笑顔が素敵で、すごく素直で、すごくすごくフレンドリーで、誰とでも友達になっちゃうようなキャラクターの方がとっても多くて、私も本当に元気をいただいています。なので、また一緒に直接お会いできる機会を楽しみにしていますし、そしてミチさんから11年温めた重くて愛のあるバトンをいただきましたので、これを大切に、そして私なりの色を塗りながら、日本でSH'BAMがさらにたくさんの方に愛してもらえるプログラムになるように頑張っていきますので、ぜひ皆さんの力をこれからもたくさん貸してください。これからもよろしくお願いします!
松永:普段からお客様のためにクラスをしていただいて、今クラスをお休みしている人もいるかもしれませんが、このプログラムを愛していただいて、今までも続けていただいて本当に本当にありがとうございます!アンナが言ったことが全てです。ぜひ、プログラムを信じてください!このプログラムは本当にいいプログラムです。皆さんのその気持ちがあればもっともっとその気持ちはお客様に伝えることができますし、もちろん私たちもみなさんをサポートしつつ、一緒になってこのプログラムが日本に広がるように頑張って、精進していきますので、これからも一緒に頑張りましょう!よろしくお願いします!
松永トレーナー、萩原トレーナーありがとうございました。
これからも進化するSH’BAMにご期待ください。